まちづくり基本構想検討委員会であいさつする座喜味市長(中央) =市議会全員協議室

快適な生活基盤形成へ 今年度中に基本構想作成 市役所周辺まちづくり

 宮古島市(座喜味一幸市長)は2日、市役所周辺まちづくり基本構想の策定に向け、第1回検討委員会を開いた。「人とつながる 未来とつながる みやこじまの新しい拠点」をコンセプトに、同地区のまちづくりが市の活性化につながることを目指す。市役所周辺の約100㌶が対象で、快適な生活基盤の形成やにぎわい創出などを目標に掲げる。市民や事業者との対話を通して課題やビジョンを共有し、今年度中に基本構想を作成し発表する。
 市の中心市街地は平良港の後背に形成されてきたが、2021年1月に市役所が同地区から現在の場所に移転した。空洞化が懸念されている中心市街地と連携しながら、都市拠点として一体性を高める新たな市役所周辺まちづくりが必要になっている。その方向性や将来像を明確にすることを目的に、市民と連携して基本構想を策定する。
 宮古空港が非常に近く警察・消防署などの公共施設が集積しているなどの魅力がある一方、用途地域がほとんど指定されていないため、農地と住宅など異なる機能が無秩序に混在しているという課題もある。幅員4㍍未満の狭あい路や行き止まりも多く、道路基盤の改善や消防活動困難地域の解消も必要という。
 座喜味市長は委員会冒頭で委嘱状の交付と諮問を行い「市役所周辺のまちづくりは都市計画の重点推進プロジェクトで、方向性を示すことが大変重要な時期にさしかかっている。しっかりとした基本構想にもとづき整備をしていくため、専門的な知見をお借りしたい」と述べた。
 基本構想の策定に当たり、継続的な連携・協働を通した地域住民との合意形成にも取り組む。
 無作為に選んだ市民2千人にアンケートを郵送したほかウェブ上でも受け付け、計570通の回答を得た。市民交流拠点のイメージとしては、安全に避難できる災害に強いまちが66・5%、子育て施設や医療・福祉施設が充実した利便性の高いまちが65・1%の支持を集めた。
 また、11月には3日間にわたり市役所周辺の未来を考えるワークショップを開催。まち歩きで地域の魅力を探索し、さまざまな交流の活性化に向けて意見を交わした。21日に市役所で、市民を対象にワークショップ報告会を行う予定。詳細は後日、市ホームページなどで発表する。

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