平良港への外国クルーズ船寄港が来年4月に再開見込みとなった =写真は6月29日に寄港した「ぱしふぃっくびいなす」

平良港への外国クルーズ船 来年4月再開見込み

 国土交通省が国際クルーズの受け入れを発表したことを受け、平良港への外国船寄港が2023年4月にも約4年ぶりに再開される見込みとなった。宮古島市はこのほど、クルーズ受入全体協議会をインターネットによるウェブ会議で開くなど受入態勢整備に向けた取り組みをはじめた。今後、関係業界団体が策定、公表したガイドラインの確認や平良港で実際に受け入れる際の対応などについて国、県、関係民間団体などと調整を進める方針だ。
 平良港北防波堤沖側にクルーズ船専用岸壁を築造する国際クルーズ拠点整備は、19年度までに暫定供用部分の370㍍、22年3月までに延伸50㍍の全長420㍍が完了し、22万㌧級のクルーズ船が接岸可能となった。ことし6月には国内の日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594㌧)が接岸し、供用を開始した。平良港へのクルーズ船寄港は2年5カ月ぶりだった。
 国内の国際クルーズ船運航は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、20年3月から停止し、県内でも平良港や石垣港、那覇港、中城港などに予定されていた寄港が中止となり、海路による入域観光客数が途絶える状況が続いている。関係機関によると、県内へは来年3月初旬にシンガポール発のクルーズ船が石垣港に寄港予定という。
 政府はことし9月、新たな水際対策の緩和措置として、「現在、国際線を受け入れていない空港・海港について今後の就航予定に応じ、地方公共団体等の協力を得ながら個別港ごとに準備を進め、整い次第、順次、国際線受入を再開する」と発表した。
 これを受けて業界団体は、外国クルーズ船社の日本国際クルーズ協議会が感染拡大予防ガイドラインを作成し、国内クルーズ船社の日本外航客船協会と、日本港湾協会が既存のガイドラインを国際クルーズに対応するため改訂。同省が内容について、感染症や危機管理等の専門家の意見や関係省庁と確認した上で再開を決定した。
 今後は、各クルーズ船社が、寄港を予定している港の関係者と受け入れに関する協議を行い、合意を得た上で、順次運航を再開することになる見込み。

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