供花をされた天皇、皇后両陛下
=糸満市の国立沖縄戦没者墓苑
天皇陛下、即位後初来県 沖縄戦没者墓苑で供花
【那覇支局】天皇皇后両陛下が22日、即位後初めて来県した。糸満市摩文仁の平和祈念公園を訪れ、平和祈念堂、平和の礎や県平和祈念資料館などを巡り、国立沖縄戦没者墓苑では供花されたのち、県遺族連合会前会長の照屋苗子顧問らと懇談した。
両陛下は沖縄戦で亡くなった18万人以上の遺骨が納められている戦没者墓苑の納骨堂の前に花を供えて犠牲者の霊を慰めた。花を供えた後は炎天下の下、沖縄戦の遺族14人と約20分をかけて会話をし、沖縄戦当時の話などに熱心に耳を傾けた。
両陛下と会話をした照屋顧問(86)は「上皇ご夫妻のお心を引き継いでいると感じた。私たち遺族にもお心を寄せていると思った。長時間、一人ひとりの遺族に声掛けをしてくださったので、遺族の一人として感謝している」、宮城博理事(77)は「非常に良かった。両陛下には今後も沖縄に来てほしい。上皇様と同じように沖縄を思ってくださるとうれしい」とそれぞれ話した。
両陛下は23日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれる「美ら島おきなわ文化祭2022」の開会式に出席する。開会式ではおことばを述べられる予定となっている。天皇陛下は5月15日の「本土復帰50周年式典」にも東京からオンラインで参加し、おことばを述べられている。
天皇陛下が沖縄県を訪問するのは6回目。訪問は2010年の美ら島沖縄総体以来、12年ぶり。皇后陛下は1997年の全国農業青年交換大会以来、25年ぶり2度目の訪問となる。両陛下は23日まで滞在。泊まりがけで地方を訪問するのは約2年11カ月ぶりとなる。