(左から)友利会長、勝連さん、野村店長、仲宗根署長 =平良西里のばっしらいん

人身事故倍増に危機感 安全「箸」渡し作戦実施

 宮古島警察署(仲宗根宗信署長)と宮古地区交通安全協会(友利勝一会長)は28日、秋の交通安全運動の一環として、「交通安全『箸』渡し作戦」を実施。「交通ルールを守ろう」のメッセージと宮古島まもる君のイラストが袋に描かれた割り箸1万本を市内の飲食店に配布した。仲宗根署長は同署管内で2022年、8月末現在で64件の人身事故が起き前年同期から倍増していることや、2件の死亡事故が発生している状況に危機感を示した。
 仲宗根署長は8月末までの人身事故が前年の31件から倍増していることや、28日未明に交通死亡事故が発生したことなどに触れ「管内の交通人身事故の状況はことしに入りとても厳しい状況になっている」との認識を示し「交通取り締まりの強化のほか、関係機関・団体と連携した各種取り組みを強化している。それだけに、今年2件目の交通死亡事故が発生したことは心が痛む思い」と語った。
 その上で「『管内から交通事故をなくす、1件でも少なくする』ために、交通安全活動を推進していきたい」と意気込みを述べ、関係者に協力を呼び掛けた。
 友利会長は活動で配る割り箸とかけて「宮古には伊良部大橋などがあるが、橋は人と人、島と島、心と心をつなぐ。宮古島の端から端まで交通ルールを守って、事故を少なくする活動をしてもらいたい。事故が1件でも少なくなることを願う」と話した。
 地域交通安全活動推進委員などが手分けして市内16件の飲食店に割り箸を配り、交通安全の啓発活動に協力を呼び掛けた。仲宗根署長と友利会長はこのうち平良西里のファミリーレストラン「ばっしらいん」を訪問し、同店の野村安宏店長と従業員の勝連朗子さんに割り箸を手渡した。
 野村店長は「酒を飲んだお客さんには絶対に運転しないよう声を掛け、グループ客には運転する人を決めてもらっている。日頃の活動に加え、割り箸配布を通して交通安全に貢献していきたい」と述べ、勝連さんは「しっかりアピールしたい。袋に『まもる君』が描かれているので、観光客も喜んでもらってくれると思う」と話した。

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