宮古の古謡を披露する西原コーラスゆりの会のメンバー =市未来創造センター多目的ホール

宮古島の歴史を再認識 ネフスキー来島100周年

 大正時代に宮古方言研究で貴重な資料を残したニコライ・ネフスキー来島100周年行事「歌を楽しみ・島の心をつぐ集い」が6日、市未来創造センター多目的ホールで行われた。ネフスキーの紹介や子どものど自慢のほか神話の方言語り、クイチャーなどが披露され、観客らはネフスキーの偉業や島に受け継がれる歴史を再認識した。2022年はネフスキーの生誕130年にもあたる。
 実行委員長の猪子立子さんによると、イベントは宮古研究の先駆者であるネフスキーをたたえるとともに、宮古の歴史や方言、文化など「宮古の心」を継承するのが狙い。
 市民ら80人ほどが訪れたイベントでは、徳八流太鼓松堂亨研究所のメンバー6人が力強い太鼓演奏を披露したほか、同会事務局の川満幸弘さんが「盛加神 鬼どもを鎮める」などの宮古神話を方言で語った。
 そして与儀杏珠さんは宮古民謡「とうがにあやぐ」、西原コーラスゆりの会が古謡「西原子守り歌」などを披露し、イベントの最後には漲水クイチャー保存会メンバーを中心に観客全員がクイチャーを踊った。
 また川満さんがネフスキーの略歴を紹介した。川満さんによると、ネフスキーは1922年に初めて宮古島に訪れ、生涯で3度来島した。島の方言などの著作を残した後、33年にソ連に帰国。同国の東洋学研究所で宮古研究を進めるが、37年にスターリンの大粛清の煽りをうけ、スパイ活動の疑いで日本人の妻とともに処刑されたという。
 猪子会長は「宮古島には18通りの方言があると言われているが、かつて方言を喋ると罰せられた時代があった。方言は本当に貴重なもの。このイベントが皆さんの思い出に残るよう願っている」とあいさつした。
 イベントは感染防止で収容人数を制限したため、20日にも同会場で行われる。

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