「医療体制守るため協力を」 市長ら対策を呼び掛け
座喜味一幸市長と宮古病院の岸本信三院長、宮古保健所の木村太一所長は3日、市内で新型コロナ感染が爆発的に拡大している状況を受け市保健センターで会見を開き、市民や来島者に感染対策やワクチン接種などへの協力を呼び掛けた。市では7月20日に初めて1日当たりの感染者が200人を超え、3日までの15日間のうち9日間が200人以上となっている。市長は「医療体制を守るため、引き続き感染対策に協力してほしい」と訴えた。
県疫学・統計委員会の発表によると、7月25日からの1週間で、宮古保健所管内では県外からの渡航者50人の感染が確認されたという。感染者全体の3.7%を占めており、割合では県内最多となっている。
市長は「夏休みに入り人の移動が活発になっており、お盆を控えて人と接する機会がますます増えると予想される」として、「医療現場に従事する皆さまのご苦労に理解を持ち、協力することが医療を守ることになり、大切な人やあなた自身を守ることにつながる」と市民や来島予定の人に感染対策を呼び掛けた。
具体的には▽人が集まる場所でのマスク着用と換気の徹底▽会食は4人以下・2時間以内で行い、会話の際はマスク着用▽自宅に解熱剤などを常備▽高齢者など重症化リスクの高い人と会う際の体調管理▽ワクチン追加接種による重症化予防―に協力を求めた。
観光客などが滞在中に体調不良や発熱があった場合は、旅行者専用相談センター沖縄(098-840-1677)が利用できるという。年中無休で午前8時から午後9時まで受付け。
宮古病院は15日まで診療制限を行っているが、院内で3件の集団感染が発生し、職員と患者合計で26人が隔離されたという。また、スタッフ58人が就業制限になるなど、医療供給体制がひっ迫している。
岸本院長は「人が多く集まる場への参加は極力減らしてほしい。特に大勢での飲酒は大変危険。宮古病院の状況を理解いただき、感染拡大を招かない主体的行動を願いたい」と述べた。
木村所長は「市民の約4分の1が感染したが、逆に4分の3はまだかかっていない。経済優先で社会的行動に制限がかかっていないからこそ、感染者を減らす一人ひとりの対策が求められている」と話した。