残った11人のみで採決を行う議員ら =市議会本会議場

市議会最終本会議 異例の決議2件可決

 宮古島市議会(上地廣敏議長)は22日、6月定例会の最終本会議を行った。前日まとまらなかった不利性解消事業に関する要請決議案は一転して全会一致で可決したが、その後自民会派がほぼ同じ文面の決議案を提出すると、議員12人が退出。残った11人全員の賛成により可決された。同一事案に2件の決議を可決する異例の事態となり、内容はほぼ同一のまま対応が分かれた。当局提出の議案はいずれも原案通り可決。
 農林水産物の島外・県外への輸送費を補助する同事業は今年度から、航空輸送と海運輸送の補助単価を一律1キロ当たり65円にする変更が行われた。
 宮古島市に対する補助額の約7割が航空輸送に対するものであり影響が大きいとして21日、野党議員らが市に支援拡充などを求める決議案を提出。「趣旨には賛同するが文言の調整が必要」として、与党と自民会派の議員13人が退出。動議はまとまらなかった。
 22日に山里雅彦氏が前日と同じ文書を読み上げると、一転して23人全員が賛成に挙手。質疑や討論に発言はなかった。採決後に自民会派がほぼ同文面で、航空輸送に対する「市独自の補助」検討要請を「市と県独自の補助」と変え、宛先に沖縄県知事を追加した決議文書を提出。
 下地信男氏が「県にあてるのはふさわしくない」と述べ、野党2会派8人が退出。中立2人は狩俣勝成氏が「調整があった方が良かった」として、与党からも市民ネット結の下地茜氏が「内容には賛同するが事前に調整して昨日提出できた。経緯に疑問がある」として2人が離席。計12人が議場を去った。
 上地議長を含め半数の12人が残っており定数を満たしているとして採決を続行。11人全員が賛成して決議案を可決した。

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