左から)入賞者の友利さん、與儀さん、下地洋一郎さん、砂川さん、下地夢華さん =22日、JTAドーム宮古島

3年ぶり「とうがにあやぐ」開催 優勝は下地洋一郎さん

 第6回とうがにあやぐ大会(主催・沖縄宮古民謡協会、宮古民謡協会、宮古民謡保存協会)が22日、JTAドーム宮古島で3年ぶりに開催され、26人の出場者が宮古を代表する伝統の名曲を歌い上げた。優勝に輝いたのは下地洋一郎さん(40)=宮古島市。祖母が歌う「とうがにあやぐ」を子守歌に育ったという。関係者らはコロナ禍を乗り越えて開かれた久しぶりの大会を喜び、応援に訪れた観客らは大きな拍手で出場者をたたえていた。

 同大会は宮古島で大切に歌い継がれてきた「とうがにあやぐ」の素晴らしさを再認識し、その保存・継承と芸能文化の普及発展を目的として、2015年にカママ嶺公園の歌碑前で第1回が開催された。19年までは毎年開かれていたが、20、21の両年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となっていた。

 沖縄県宮古民謡協会の天久光宏会長は開会あいさつで「自分が太陽になったつもりで地球の端々まで照らし、コロナを吹き飛ばす大きな声で歌ってほしい」と出場者を激励した。
 3年ぶりに開かれた本大会には、20人の出場枠に26人がエントリー。当日の午後に予選会を行い、本選では20人が審査を受けた。午後5時過ぎから始まった本選審査では、会場の外で出番を待ちながら練習に励む出場者の姿も見られた。

 優勝に輝いた下地さんは「とうがにあやぐ」について「一緒に住んでいた祖母が子守歌に歌ってくれて、小さい頃から本当に馴染みのある曲。コロナ禍で思うように練習できなかったが、自分自身への挑戦と思って出場した」と話した。
 下地さんは三線を習い始めてまだ2年ほどという。きっかけについて「4年前に宮古に戻ってきたが、県外に住んでいると『三線を弾いて』と言われることもあり、宮古の伝統文化を学ぼうと思った」と語った。

 大会の幕開けでは久田流家元久田多喜子舞踊研究所が「とうがにあやぐ」を踊り、伴奏で宮古民謡三協会の代表が三線を演奏した。宮古高校郷土芸能部もゲスト出演し、日頃の練習の成果を披露した。
 入賞者は次の通り。(敬称略)
 優勝=下地洋一郎(宮古島市、自営業)▽準優勝=砂川奈々夏(同・学生)▽3位=下地夢華(同)▽宮古島市長賞=與儀杏珠(同)▽審査員特別賞=友利涼(同)

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