賛成多数で自衛隊と海上保安庁への感謝決議を可決した =市議会本会議室(※議員全員を写すため斜めから撮影しています)

市議会臨時会 自衛隊、海保に感謝決議

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の臨時会本会議が20日開かれ、本土復帰50年に際し、自衛隊と海上保安庁による市民・県民の生命を守る任務遂行をたたえる感謝決議を17対5の賛成多数で採択した。出席した野党・中立の議員は全員が賛成。与党議員団10人は賛否が半々に分かれる結果となった。当局が提出した市職員などのボーナス減額に関する議案4件、特別会計補正予算などの専決処分を求める報告4件はいずれも原案通り全会一致で可決した。 1972年の本土復帰とともに配備された自衛隊は、本来任務ではなかった緊急患者空輸を同年から開始。22年4月6日に搬送数が1万件を超えた。また、海上保安庁も同様に復帰以来、3100件余りの離島患者空輸や漁船などの救助を行っている。

感謝決議案への賛否


 さまざまな行政・医療機関が連携し、市民・県民の生命を守る任務を遂行していることに感謝の意を表するためとして決議を行った。県内での自衛隊に対する感謝決議は、4月の那覇市に次いで2例目。
 討論では決議に反対の立場から与党の池城健氏が「復帰50年、全ての人が市民の生命財産を守るために努力してきた。自衛隊と海上保安庁だけを取り上げて感謝決議をするのはおかしい」、下地茜氏が「活動に感謝することは当然だが、宮古島へのミサイル基地配備増強に利用されかねない」とそれぞれ述べた。
 賛成の立場からは野党の下地信男氏が「離島に住む私たちは、予期せぬ災害などに対処する自衛隊と海上保安庁がなければ命が守られなかった」、粟国恒広氏が「いち早く人命救助にあたる医療・消防といった関係機関が尽力してきたが、急患搬送任務を50年間遂行したことに感謝を表したい」と討論した。
 採決では野党議員9人と中立系2人に加え、10人の与党議員のうち5人が賛成に挙手。17対5の賛成多数で採択された。野党の新里匠氏は、伊良部島のサトウキビ収穫遅れ問題の対応で離島していたため、本会議を欠席した。
 人事院勧告に基づいて市の常勤・会計年度任用職員、市長などの特別職と市議会議員のボーナスを0・15月分減額する条例改正案4件、国民健康保険特別会計補正予算などの専決処分に関する報告4件は、いずれも全会一致で可決した。

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