宝塚医療大学が観光学部設置を予定する旧城辺中 =城辺福里

旧城辺中跡地・宝塚医療大観光学部24年に開設延期

 宝塚医療大学(兵庫県、岸野雅方学長)は17日、観光学部宮古島キャンパスの開設を2023年4月から1年延期し、24年4月とすることを明らかにした。同日午前、小原教孝統括長らが市役所に座喜味一幸市長、大城裕子教育長を訪ね、報告した。旧城辺中学校跡地敷地内に建設を予定している学生寮の完成予定が建設資材の供給困難で大幅に遅れ、授業開始の来年4月に間に合わないことが理由。座喜味市長は「来年4月という期待あったが、綿密に工程を組んで24年に開校できるよう努力してほしい」と求めた。

開設1年延期を市長(中央)に報告する小原統括長(左から2人目)ら=市役所応接室

 同大は観光学部設置に向けて3月に文部科学省に申請し、受理されたという。報告には小原統括長、新学部設置準備室の亀井信明顧問らが参加。小原統括長は、学生寮が来年4月の授業開始に間に合わず、現状では来年6月の完成も厳しいとし、理事会で1年延期を決定したと説明した。
 この上で、原因を建設資材の供給困難による大幅な遅延を示し、コロナ禍の影響で資材及び設備部品などの納品の遅れが生じたことに加え、ロシアのウクライナ侵攻が追い打ちをかける事態となったと指摘。小原統括長は「1年延期するが、24年4月には確実に観光学部を開設できるよう、万全の体制で準備を進めたい」と述べ、理解を求めた。
 同大では学生寮建設に向けて建設業者との間で工程、設計図などを打ち合わせ、1年の猶予で着実に取り組むとしており、23年9月の完成を目指す。合わせて校舎の改修や設備導入などを進め、オープンキャンパスなどを実施して開設に備える方針。すでに決定したカリキュラムについても今後、完成度の高い内容に整備するとした。
 座喜味市長は観光学部開設の1年延期に理解を示した上で、「人材育成、地域活性化の効果も期待されている。開校が(これ以上)遅れないようにしてほしい」と確実な対応を求めた。
 大城教育長は「宮古島市の高校生が入学となると保護者の経済的負担も軽減できる。市全体の教育向上にもつながると期待している。開設が実現できるよう教育委員会としても引き続き協力したい」と語った。
 観光学部開設に向けては21年12月の市議会定例会で旧城辺中跡地の無償譲渡と、同大が利用する市立図書館城辺分館を廃止する条例改正が可決されていた。分館は同大付属図書館宮古分館として4月1日に地域住民も利用できる形で開館している。
 図書館の運営について観光学部設置準備室宮古島分室長の上地昭人氏は、4月の開館から1カ月で約150人の地域住民利用があったとし、「今後も地域に開かれた図書館として、住民の利用、子ども達の勉強に開放していく」と述べた。

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