小中校長連絡会で座喜味市長(右)が講話を行った 宮古島市役所

市教育委員会、小・中学校長連絡会開く

 宮古島市教育委員会(大城裕子教育長)は10日、市役所2階大ホールで、2022年度第1回小・中学校長連絡会を開いた。市の学校教育に対する座喜味一幸市長、大城教育長の期待やビジョンを共有するとともに、教育課題や今後の方向性について共通理解を図るためのもので、市長と教育長の講話、市教委が22年度に実施する事業の説明などを行った。市長は復帰50年の歩みを振り返り、「子どもたちの頑張りが大人の励みになってきた」と述べた。

 座喜味市長は50年の歩みを総括する節目の年として「社会インフラを含めた格差の解消も課題だったが、本土との交流が増えるにつれ価値観や常識の違いといった『文化』のぶつかりあいが起きていた」と復帰前後に県が置かれた状況を振り返った。
 その中で、1968年に興南高校が甲子園でベスト4入りを果たした「興南旋風」が県民の大きな希望となったとして「子どもたちの頑張りが励みとなり、大人たちの自信につながっていった」と述べた。
 市長は子どもたちが希望であることは今も変わらないとして、「宮古らしい地域に根差した教育を続けてもらいたい。地域が学校現場を支え、先生方を信頼することが絶対に必要。そのための支援を市も行っていきたい」と激励した。
 大城教育長は情報社会がさらに進展し、AIやロボットをさまざまな社会問題解決に役立てる、いわゆる「超スマート社会」を「心豊かでたくましく生きる主体性に溢れた明るい子どもを育てていきたい」と強い熱意を見せ、「宮古島市の子どもたちが国内でも高い情報リテラシーを身に着けることを将来的な目標とし、ICT教育を推進していきたい」と語った。
 市と市教委は21年度にそれぞれ22年度から5年間を対象期間とする、第3次宮古島市教育大綱、第3次宮古島市教育ビジョンを策定している。
 市は大綱で教育の基本理念として「郷土の自然と文化に誇りを持ち、心豊かで主体性・創造性・国際性に富む人材の育成と生涯学習の振興」を掲げた。
 市教委の教育ビジョンでは、児童生徒に1人1台ずつ配布されたタブレット端末を活用したICT教育の推進や、保育・幼稚・こども園と小学校が協働したスムーズな幼少接続などを重点施策としている。

関連記事一覧