会見で市民に感染対策の徹底を訴える岸本院長(右)

宮古病院、23日まで診療制限 感染拡大に「非常事態」

 県立宮古病院(岸本信三院長)は9日、宮古島市内で新型コロナの感染が持続的に拡大するとともに同病院への入院患者も増加し、コロナ以外の一般病床にまで影響が及ぶ状況になっているとして、10日から電話診療を原則とした一般外来制限を行うと発表した。23日まで。会見を開いた岸本院長は感染拡大を「非常事態」として、市民に3密回避などの対策徹底を強く訴えた。

 4月後半の同病院におけるコロナ関連の入院患者は2人程度だったが、大型連休後半から増加しはじめ、9日現在で濃厚接触者も含め12人が入院しているという。同日から病床確保計画に基づく医療フェーズを4に引き上げ、コロナ対応の病床を40確保した。
 岸本院長は「陽性・濃厚接触者を含めて24人の看護師が出勤できず、非常に厳しい状況」と説明し、診療制限の実施に理解と協力を求めた。一般外来は原則電話診療とするが、化学療法や透析などは通常通り行う。がんや急性期疾患を除いた手術や不要不急の検査、リハビリ、精神科訪問診療などは延期する。
 救急外来に制限は行わないが、院長は「ひっ迫を防ぐため、風邪症状などは発熱外来のあるクリニックやかかりつけ医の利用、小児で水分を取れる方は市販の解熱剤や風邪薬での自宅療養で観察してほしい」と求めた。宮古島徳洲会病院は感染拡大を受け救急車の受け入れを中止している。
 また、院長は宮古保健所管内の人口10万人あたりの新規陽性者が県内最多となっている県疫学統計委の資料を示し「マスク着用など基本的な感染対策を徹底し、いつも一緒でない人との飲酒のある会食は控えてほしい。私たち医療者と市民が一体となり、この『非常事態』を乗り越えていこう」と呼び掛けた。

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