今後の取り組みなどについて説明する岸本院長
=県立宮古病院
地域包括ケア病棟を設定 県立宮古病院
4月に就任した県立宮古病院の岸本信三院長は14日、記者会見を行い、今後の同病院の取り組みなどについて説明した。地域医療構想で指摘されていた回復期への対応として近く地域包括ケア病棟25床を設定する。また今年2月末に承認された地域医療支援病院として開業医との役割分担を進めるとともに市民への理解を呼び掛けた。
地域医療構想では以前から回復期病床の増加が求められており、岸本院長は「機能が低下した高齢者などのリハビリ、在宅復帰に向けた支援を行う。元と同じくらいのQOL(生活の質)で帰れることを目指す。今年度の大きな柱として進めていく」と語った。
地域医療支援病院の役割として▽紹介患者に対する医療に提供(かかりつけ医等への患者逆紹介も含む)▽医療機器の共同利用▽救急医療の提供▽地域の医療従事者に対する研修│を挙げ、「宮古病院を希望する患者もいると思うが、外来が増えていけば医師が疲弊する。病状の落ち着いた人などは地域の開業医が診て、その中で精密検査や特別な治療、出術等は宮古病院を紹介してもらい、再び開業医に返していく」と説明して理解を求めた。
ウェブを使った開業医や薬局との情報共有システム「ぴきあすネット」もコロナ禍で進んでいなかったが、今年は利用促進に向けて取り組み、今後は介護施設等にも対象を広げようと考えている。
このほか、市から移譲された夜間救急診療所の運営、医師の働き方改革の実施に向けた対応などについて説明した。