「苦しいなら遠慮せず相談を」と呼び掛ける「んまんま」発起人の松下さん
=4日、宮古島市社会福祉協議会平良支所
宮古島市協 フードバンク利用が増加
市社会福祉協議会の食料寄付事業フードバンク「んまんま」に支援を求める人が増加している。1月は総利用数69件のうち11件が初利用で、そのほとんどがまん延防止等重点措置の適用が影響しているという。同事業の担当者らは4日、コロナ禍の長期化による困窮者増加の可能性を指摘し「苦しい人は迷わず活用して」と呼び掛けた。
んまんまは地域の人から食料の寄付を受け、生活困窮者へ提供するフードバンク活動を行う事業。2019年10月に始まった。市内の全郵便局やホテルが寄付箱を設置するなど官民越えた協力が増え、20年度末ごろにはコロナ禍の影響を心配する市民や団体からも支援が相次ぎ、1カ月当たり100㌔を超える食料が集まっていた。
現在は月により寄付に波があり、少ないときは県全体のフードバンク支援団体から食料を調達することもある。事業発起人で地域福祉コーディネーターの松下智美さんは「コロナの長期化で島全体に余裕がなくなっているかもしれない。『これまで蓄えで食べてきたが底を突いた』という人も多い」と話した。
21年度の配布実績は11月現在、月ごと平均で約1500食の延べ70世帯程度。このうち3~4割がひとり親世帯と突出している。1月の新規利用者は休園、休校などで家庭保育のため休職する身寄りのない母親、重点措置の適用で失職した飲食店関係者が主という。この日も仕事がなくなったという運転代行業の若者が食料を受け取った。
松下さんは「すごく疲弊している人が多い印象だ。苦しいときは遠慮せず声を上げてほしい」と訴えた。