上野庁舎利活用の意見を募集するため行った現地説明会(資料写真)

上野庁舎、10業者が利活用提案 地産地消の拠点

 宮古島市(座喜味一幸市長)はこのほど、上野庁舎利活用に関して初めての試みとして行った「サウンディング型市場調査」の結果を発表した。施設の有効活用にあたり、民間事業者や市民との対話を通して事業のあり方を検討するもので、10事業者から提案があった。市は同庁舎を地産地消の拠点として地域循環型経済の構築を目指しており、官民連携して事業計画を策定する。来年1月には10事業者間での意見交換も行うという。

 市職員はサウンディングを実施した背景を「これまで市が主導で事業計画を立ててきたが、我々には経済活動の経験がない。経験豊富で地域の実情をよく知っている事業者の意見をくみ取った方がより良い事業になると考えた」と話す。
 市町村合併や学校統廃合で全国的に利用されなくなった公共施設が増えており、利活用計画策定をサウンディングで行う動きが広まっているという。
 11月2日に上野庁舎で現地見学会と説明会を実施。10事業者から利活用計画の提案があった。提案が市に選ばれて事業委託につながるものではなく、民間事業者がボランティアのような形で行った形になる。
 市の職員は「地域貢献がしたいなどお金だけではない理由で参加してくれた事業者もある。膝を突き合わせて知恵を出し合っていきたい」と述べた。
 市と事業者間の話し合いだけでなく、来年1月には10事業者が集まって意見交換会を開く。官民・民民連携で上野庁舎の有効活用を議論し、年度内にも事業計画をまとめる予定。
 上野庁舎は農地の多い城辺・上野・下地地域の中央付近にあることから、農作物の集積地として活用することを軸にする。宮古産農作物の加工・流通拠点とすることで、地産地消を推進していく。食料自給率を高めることで市外への富の流出を減らし、地域循環型経済を構築したい考え。
 地域に賑わいを創出するような複合的施設とする案などもあり、新たな試みでどのような事業計画が完成するか期待される。

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