さまざまな関係団体が集まってフォーラムを開いた =26日、未来創造センター多目的ホール

クイチャーの日「9月18日」候補に協議

 クイチャーフェスティバル実行委員会(佐渡山武士委員長)は26日、市未来創造センター多目的ホールでクイチャーフォーラムを開いた。コロナ禍で第20回大会は通常通り開催できなかったが、歴史を途切れさせないため行ったもの。宮古島市各地の保存会など伝統芸能に関わる団体が多く参加し、大会のあり方などについて協議。9月18日を候補に「クイチャーの日」制定を目指すことを決定し、次世代への継承に力を合わせることを誓った。

 実行委員会は市の中学生を対象に「『クイチャーの日』にふさわしい日はいつか」とアンケートを行った。佐渡山委員長が9月18日に最多の458票が集まったことを紹介。正式な制定に向けて関係者や市と協議を重ねるとした。出席者からは語呂合わせで覚えやすく、運動会シーズンで子どもたちへの働きかけもしやすいといった意見が出た。各保存会の踊りを動画で配信し、運動会でのクイチャー拡大など文化の保全・継承に取り組むという。
 クイチャーフェスティバルは2002年に人頭税廃止100年記念として始まった。第2代実行委員長を務めた前里昌吾さんがこれまでの歴史を紹介した。
 第15回大会まではカママ嶺公園で開かれていたが、テント設営などのボランティア高齢化や人数不足に直面したため、第16回から会場をJTAドームに変更し入場料を有料とした経緯を説明した。前里さんは「有料化にはさまざまな意見がある。これからのあり方は議論を重ね決めていきたい」と話した。
 来年の第21回大会は、復帰50周年記念行事の美ら島おきなわ文化祭の一環として開催される予定となっている。
 第1回から関わってきたというフリーアナウンサーの末吉りえさんが「沖縄のエイサーはお盆に先祖の霊を供養するために踊るもので、本来おめでたいものではない。宮古のクイチャーは生活に根差した全く違う文化で、そこに魅入られてきた」と振り返った。
 各保存会がそれぞれの取り組みを紹介し、地域の伝統文化を継承していく決意を新たにした。
 クイチャーフェスに関しては、フェスをより盛り上げていくための提案やクイチャーフェスが伝統文化継承の中心的役割を果たすことを期待する声などが上がった。

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