市職員が保護しているサシバ=6日、平良西仲宗根

市職員、サシバを保護飼育 羽根折れ野生戻れず

 宮古島市のある職員が、沖縄県から依頼を受けサシバを保護飼育している。翼をけがしているところを市民が発見し救護したが、自由に飛べる状況まで回復しなかったため野生復帰が難しい状況という。

 サシバは下地与那覇のまいぱり周辺で2021年3月12日、右の翼から出血しているところを市民に保護された。赤嶺獣医科医院(赤嶺学院長)に運び込まれ、骨が折れていることが分かった。治療を受けたが、自力で獲物を捕獲して生きられるほどには回復しなかったという。赤嶺院長は「固定できず、治療が難しい箇所だったため、完全には骨がくっついていないと思う」と話した。
 沖縄県の「傷病野生鳥獣保護飼養ボランティア」に登録している市の職員が県から依頼を受け、5月からサシバの世話をしている。職員は「猛禽類は本来動物園などに寄付されるが、鳥インフルエンザの影響で移動ができないため預かることになった」と説明した。
 保護飼養ボランティアは、けがなどをした野生動物が野生に復帰できるまで飼育する制度。野生復帰できるまで、責任をもって保護飼養できる意思と能力がある▽十分な収容施設がある▽近隣住民などとトラブルを生じさせるおそれがない―などの基準を満たすと県知事が認めた個人、企業、学校などが登録できる。

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