破産した全東信被害オーナーが語る、なぜ全東信は加盟店を集められたのか
「破産のニュースを聞いたときはまだおカネが返ってくると思っていたんです。だから決済を止めるのが少し遅れてしまって」
そう語るのは東京・渋谷の居酒屋「バルミチ」のオーナー、木村さんだ。
「そこから情報収集し始めて、どうやら回収できないぞとなったのが4時間後くらい。そこからカード決済を止めましたが、トータルの被害が100万円ほどです」(木村さん)
しかし、インバウンドのお客さんなど、カードでしか払えない方が来店せずに帰っていったり、見えない被害も合わせると140万円くらいにはなるという。
クレジットカード決済代行の全東信(大阪市)が6日に破産してから2週間が経とうとしている。相変わらず加盟店は回収の見通しが立っていない。
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負債額は1259億2900万円で、今年最大だった。加盟店は約2万店に上る。破産直後、加盟店はクレジットカードが使用できなくなった。
「少しでも売り上げを増やせたらと思って現金払いをしていただいたお客様に何らかのサービスをしたり、色々工夫をするようにしています」(木村さん)
赤沢亮正経産相の14日の会見では、加盟店への未払いの金額は53億円に上ると公表された。近年、QRコード決済などライバルの登場でクレジットカード決済が減り、手数料収入が減ったことで資金繰りが悪化していたようだ。
渋谷の宇田川町にあるバー、bossa(ボッサ)が開店したのは1997年。
「クレジットカードがだんだん世の中に広がり始めた時期で。現金で行こうと思っていたんですけど、徐々にクレジットカードを使いたいというお客様も増えてきだして。大手に申し込もうと思ったら手数料が10%だったんです」(オーナーの林さん)
高すぎると思った矢先、友人が全東信を教えてくれた。
「大手は水商売に厳しかった。全東信は手数料も低くて3.6%だった。ありがたい存在でした。日本で、キャッシュレス決済が流行らないのは手数料が高いからという説もあります。イギリスでは1%だそうですし、今導入しているスクエアという外資の決済代行は2.5%です」(林さん)
そんな水商売の味方だった全東信も破産してしまえば、なすすべがない。林さんは今、金策に奔走している。
文/神田桂一 内外タイムス






