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池袋すし店殺人 同僚に無視されて刺した男の勝手な言い分「持っていないので遺族への賠償は5万円、拘置所はノンストレス」

2025年7月、東京・池袋のすしチェーン店で同僚の男性Aさん(当時32)を刃物で殺害したとして、殺人罪に問われている石岡雅人被告(57)。

10月28日に東京地裁(吉戒純一裁判長)で開かれた初公判では、起訴内容を認め、「いつも通りあいさつをしたが、無視されたので、カッとなって刺した」と説明。証人尋問では、精神鑑定を担当した医師が、「犯行当時の石岡被告は急性ストレス反応を起こしていた」と証言した。司法担当記者が解説する。

「医師は、石岡被告にADHDやアルコール依存症があるとしながらも、それらが犯行に直接影響したとは考えていないと証言しました。周囲との意思疎通の難しさや孤立などを通じ、二次的に急性ストレス反応につながった可能性があると説明しています。石岡被告は49歳のときに同居していた母親を亡くし、悩みを話せる相手を失っていたようです。本人は周囲のフォローを十分に得られないと感じ、気持ちを吐き出す相手もいなかったといいます」

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初公判の傍聴席は満席で、法廷の外にも入廷を待つ人の列ができていた。石岡被告はグレーと黒のジャージ姿で入廷し、被告人席から何度も傍聴席を見渡していた。職場での様子について、前出の司法担当記者が続ける。

「店長は供述調書で、石岡被告について『正直に言うと仕事が出来ない人で、忙しくなるとさらにテンパる』と説明しています。同僚も、作業の手順が悪く、注意すると逆ギレするため、関わらなくなったという趣旨の供述をしていました。被告は無視されていたと訴えていますが、職場側は、業務上の注意をきっかけに関係が悪化していたと説明しているのです。事件前には、別の同僚に包丁を向けたこともあったそうです」

勤務中の居眠りやスマホ、遅刻などが原因「そうだと思います」

翌29日、被告人質問で石岡被告が語ったのは、「殺害後に肩の荷が下りた」という心境だった。

「事件当日、石岡被告は午後4時すぎに出勤し、Aさんにあいさつしたところ、返事がなく、『無視かよ』と受け止めたそうです。その後、着替えを済ませて厨房に向かう途中、過去の出来事を思い出して頭が熱くなり、Aさんを刺すために包丁を持ち出したといいます。

検察官から、勤務中の居眠りやスマートフォンの使用、勝手な飲酒、遅刻などを指摘され、『周囲が距離を置いたのは、そうした勤務態度が原因ではないか』と問われると、少し間を置いて『そうだと思います』と答えました」(同)

検察官は、Aさんが刃渡り29センチの牛刀で刺され、複数の傷や、身を守ろうとしてできた防御創があったと指摘。石岡被告は、刺した回数については「3回」と記憶していると述べ、「結果的に刺さってたんでしょうね」と答えた。

途中、検察官の質問にかぶせて答え、裁判官から「質問が終わってから話してください」と注意される場面もあった。

「石岡被告は、検察官から『事件をどうすれば避けられたと思うか』と問われると、『お互いの協力、コミュニケーションですかね』と述べました。遺族への賠償として提示した金額は5万円で、『あの金額しか持っていないので……』とも説明しています。『受け取る遺族の気持ちを考えたか』と問われると『考えてなかったと思います』と。自分勝手な主張も目立ち裁判官への心証はかなり悪いでしょう」(同)

石岡被告は拘置所生活を「ノンストレス」と説明。被害者側の弁護士から「本当に反省しているのか」と問われると、「ノンストレスでも反省してますが」とも答えていた。

最後に、「人生をかけて賠償したい」という意向について、刑務所で得る報奨金から支払うことが「人生をかけて」という意味なのかと問われると、石岡被告は答えなかった。

「お互いの協力、コミュニケーション」があれば事件は避けられたと語った石岡被告。だが、業務上の注意をしていた同僚の命を奪ったのは、自らの行動だった。

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