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報酬増額、公用車、パーティー…誰もが議長になりたがる理由 福岡県議会「カツアゲ」問題で注目

福岡県議会で、議長や副議長ポストをめぐって就任予定者から自民会派幹部に対する金銭の受け渡しがあり、それが「カツアゲ」的だったと告発されている問題が波紋を広げている。

「ほかの地方議会にも飛び火しないか」と戦々恐々としているのが、統一地方選を来年春に控えた自民の地方議員たちだ。各地で金銭授受まではいかなくとも、議長や副議長ポストは「自民内で回す、順番の指定席」になっている現状がある。「議長になりたい!」とこだわる背景にあるものとは何なのか。

金銭授受疑惑に揺れる福岡県議会 懸念点は「低すぎる福岡県民の投票率」か

議長職とは、議事の進行やほかの地方議会との交流などを担うポジションだ。多くの地方議会で、第一会派で一定の期数を重ねた議員が就任しており、自民のベテランが議長ポストに就くケースが目立つ。

議長の任期は通常4年だが、国会の議長と異なり、任期を満了するケースのほうが少ないのが実態だ。自民会派内で1年ごとに議長ポストを回し合う慣習が定着しているところも多く、それだけ議長になりたい人が多いことのあらわれといえる。

議長になるメリットとして最も分かりやすいのは、報酬の増額だ。今回疑惑が浮上している福岡県議会では、議員の報酬が89万円なのに対し、議長の報酬は月額111万円と、22万円ほどの差がある。そのほかにも公用車がついたり、議長就任パーティーを開いたり、肖像画が議会棟に飾られたり…。「議員としての箔(はく)がつくので、一度はやりたいポジション」(自民市議)だというのだ。

議長ポストをめぐってうずまく嫉妬や羨望

そんな議長になるためには、当選回数を重ね、会派内で認められることが重要だ。

ある県議会では、議長ポストに就けるのは当選5回程度を重ねた議員。国会の議長の場合、自身が全議員の中でほぼ一番上の当選回数、ということが通例だが、地方議会の場合、はるか昔に議長を務めた、さらなるベテランの「ドン」が自民会派の実権を握っているケースも目立つ。

「福岡県議会のような金銭授受とまではいかなくても、自民会派のドンに気に入られないと、議長にしてもらえない。自分が議長になった後も、議長室はドンに使っていただいている」(県議)という実態もある。

ドンに気を遣い、1年交代で回し合ってまで多くの議員が欲しがる議長ポスト。それだけに、いざこざが起こることもある。

ある県庁所在地の市議会では、当選4回ほどで議長に就くのが通例。そこに、当選5回だったが無所属期間が長かった議員が「自民会派歴は短くても、当選回数が多かったので議長にさせてほしい」と会派のベテランに懇願。「自民は単純な当選回数だけでなく、会派に所属していた年数も考慮して議長を決める。本来は議長になる対象ではなかったが、特別に議長にしてあげた」(議長経験者のベテラン)という。

だが、議長になって約3カ月という短期間のうちにその人物は突然、県議選に出ることに。「みんながなりたい議長ポストをあげたのに、任期途中で市議会を踏み台にして、市議会議長という箔を利用して県議選に出た。県議選では応援したくない」(同)としこりが残ったのだった。

自民関係者は「議長ポストをめぐっては、それほど嫉妬や羨望(せんぼう)がうずまく。福岡県議会ほどではなかったとしても、各地で議長ポストの“争奪戦”は起こっている」と明かす。

統一地方選まであと一年を切ったタイミング。一部では、ほかの地方議会でも議長ポストをめぐる現金授受がなかったか、調査を求める声が上がる。自民の地方議員らからは「各地方に飛び火して、地方議会の自民議員のイメージが悪くならなければいいが」と懸念が出ている。

文/中村まほ 内外タイムス

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