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世界初の豪州の16歳未満でSNS制限、施行3カ月で大幅な利用減は確認されず 8割超が対象サービス利用

オーストラリアで導入された16歳未満のSNSアカウント制限について、施行3カ月後も対象年齢の若者の大半がSNSを利用していたことが分かった。オーストラリア・ニューカッスル大学などの研究チームが、12歳以上17歳未満の若者を対象に制度の初期効果を調べた。研究成果は2026年6月24日付で医学誌「BMJ」に掲載された(https://doi.org/10.1136/bmj-2026-363695)。世界初とされる全国的な年齢制限は、若者の利用行動を変えられたのか。

オーストラリアでは2025年12月、TikTok、Instagram、Snapchatなど10の指定SNSについて、16歳未満がアカウントを作成・維持できないよう、運営企業に「合理的な措置」を求める制度が施行された。SNS上のコンテンツをすべて閲覧禁止にするものではなく、アカウントを通じた利用を制限する仕組みだ。

研究チームは施行前に436人を募集し、約3カ月後に408人を追跡した。過去7日間にSNSを毎日使ったか、1日あたりの利用時間がどの程度だったかを尋ね、制度の対象となる16歳の前後で利用状況が急に変わるかを分析した。

14~15歳では減少、16歳以上では上昇

単純な前後比較では、SNSを毎日使う割合は12~13歳で51%から49%とほぼ横ばいだった。14~15歳では78%から69%に低下した一方、16歳以上では80%から89%に上昇した。利用時間の回答も、14~15歳ではやや減ったが、ほかの年齢層では大きく変わらなかった。

ただし、16歳の境界付近を比較した統計分析では、毎日利用する割合、利用時間の変化のどちらにも明確な差は確認されなかった。研究チームは、施行3カ月時点で制度が大幅な利用減をもたらしたと結論づけるには、証拠が不十分だとしている。

対象SNSの利用自体は広く続いていた。追跡時点で、16歳未満の86%超が、過去1週間に制限対象のSNSを少なくとも一つ使っていた。自分のアカウントを使ったとの回答は、12~13歳で54%、14~15歳で68%だった。

年齢確認の不徹底と回避行動

制限対象SNSを使った16歳未満のうち、何らかの年齢確認を経験したと答えたのは66%だった。確認方法は年齢の自己申告が24~39%、顔写真の提出が13~27%で、保護者の許可や公的身分証を求められた例もあった。

一方、他人のアカウントを使った人は9~29%、偽アカウントは15~19%、プライベートブラウザは6~11%だった。VPNやプロキシの利用は2~3%と少なかった。制度の実効性は、年齢確認の精度だけでなく、運営企業が回避行動にどこまで対応できるかにも左右される。

研究には重要な限界がある。参加者は当初想定した人数を下回り、制度効果の分析には主に16歳に近い参加者だけが使われたため、推定の幅が広く、比較的小さな効果を見逃した可能性がある。利用状況は主に自己申告で、参加者の67%がニューサウスウェールズ州に住んでいた。

したがって、今回の結果から制度が無効だと断定することはできない。施行初期には運用が不十分で、利用者による回避も多かったため、制度本来の効果と実施上の問題を切り分けにくい。研究チームは12カ月後の追跡も予定している。

すでにSNS利用が定着した10代からアカウントを取り上げるより、まだ本格的に利用していない年少層の開始を遅らせる方が効果的な可能性もある。少なくとも施行3カ月時点では、年齢制限を設けるだけで大幅な利用減が生じるとは確認できなかった。企業による確実な運用と監督、長期的な検証が必要だ。

文/吉田光男 内外タイムス

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