• 全国
  • 上原浩治の炎上で議論…名球会入り条件の「250セーブは緩い」は本当か、過去10年のデータから検証
  • HOME
  • 全国
  • 上原浩治の炎上で議論…名球会入り条件の「250セーブは緩い」は本当か、過去10年のデータから検証

上原浩治の炎上で議論…名球会入り条件の「250セーブは緩い」は本当か、過去10年のデータから検証

プロ野球ロッテの益田直也投手(36)が4日の西武戦で名球会入り条件の通算250セーブを達成した。これに対し、9日放送のTBS系「サンデーモーニング」に出演した上原浩治氏が「200勝はすごく難しいと言われているじゃないですか。それに比べて250(セーブ)という数字がどうなのかなというのは議論されている。僕も抑えを経験していますが、300とか350に上げてもいいんじゃないかなと思います」と疑問を投げかけ、反響を呼んでいる。

「高卒プロ」が減る野球界 ピッチクロック導入で深まる高校とプロの“溝”…世界基準への改革が生む新たな課題

SNS上では賛否両論あるが、上原氏自身は日米通算134勝128セーブ104ホールドと名球会入り条件の200勝も250セーブもクリアしていないにもかかわらず特例で名球会入りした背景もあって、否定的な意見が少なくない。上原氏にそういう意図はないだろうが、偉業に「ケチをつけた」という感情的な投稿も散見される。

一方で、投手の分業制が進み、先発投手は中6日のローテーションで長いイニングを投げることが減っているため達成が困難になった200勝に比べると、救援投手の250セーブはハードルが低いという見方があるのも確かだ。

そこで最近10年間で名球会入り条件をクリアした選手を野手、先発投手、救援投手別に挙げてみた。

先発投手として200勝を達成したのは、ダルビッシュ有(パドレス)と田中将大(巨人)の2人。救援投手として250セーブを達成したのも、益田と今季限りでの引退を発表した平野佳寿(オリックス)の2人となっており、達成人数だけを比較すれば全く同じだ。

ただ、達成予備軍を見ると、先発投手では46歳・石川雅規(ヤクルト)が188勝、41歳・岸孝之(楽天)が174勝、40歳・涌井秀章(中日)が169勝、38歳・前田健太(楽天)が168勝とベテランが続くのに対し、救援投手では33歳の山崎康晃(DeNA)が246セーブ、30歳の松井裕樹(パドレス)が237セーブと先発陣より若い年齢で節目の数字に迫っている。※山崎の崎は正しくはたつさき

先発投手は15勝前後で最多勝のタイトルに輝くことが多いが、セーブ王は30セーブ以上がほとんどで40セーブを超えることも珍しくない。1シーズンで記録する勝利数とセーブ数を単純比較すれば、200勝と250セーブは釣り合っていないようにも見える。

とはいえ、連日ブルペンで肩をつくり、勤続疲労も大きい救援投手が長く活躍するだけでも称賛されるべきで、すでに現在の規定で名球会入りしている救援投手もいることを考えれば、条件を引き上げるのは現実的ではないだろう。

2000安打は最近10年で10人が達成

最近10年で最も達成者の多いのが2000安打だ。2017年に荒木雅博(中日)、青木宣親(当時アストロズ)、阿部慎之助(巨人)、鳥谷敬(阪神)の4人が達成し、その後も内川聖一(ソフトバンク)、福浦和也(ロッテ)、坂本勇人(巨人)、栗山巧(西武)、大島洋平(中日)、浅村栄斗(楽天)と10人が達成している。

かつてのプロ野球はシーズン130試合制で、先発投手は中4日のローテーションが多かったため、200勝と2000安打が名球会入り条件として適正だったかもしれない。

しかし、現在は143試合となった分、打者は安打を積み上げられる一方で、中6日が基本となった先発投手は勝利数を積み上げる機会が増えたわけではない。中継ぎ陣を手厚く構成するチームが増えたため継投のタイミングも早く、好投していても勝利投手の権利を得ないまま降板するケースが増えている。

総合的に見て、2000安打、200勝、250セーブの3部門では、200勝が最もハードルが高いと言えるだろう。

上原氏の言い分も理解できるとはいえ、もし見直すとすれば200勝を180勝などに引き下げる方が現実に即しているのではないだろうか。さらに中継ぎ投手のホールドも名球会入り条件として設定すべきではないか。誰もが納得できる条件は難しいだろうが、議論が成熟していくことを期待したい。

※成績は2026年8月19日現在

文/請川公一 内外タイムス編集部

関連記事一覧