• 全国
  • ドンキの大胆な「トイザらス」取得、短期の収益圧迫に懸念 ユニーとは異なる再生の行方
  • HOME
  • 全国
  • ドンキの大胆な「トイザらス」取得、短期の収益圧迫に懸念 ユニーとは異なる再生の行方

ドンキの大胆な「トイザらス」取得、短期の収益圧迫に懸念 ユニーとは異なる再生の行方

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、「トイザらス」の日本法人が展開する玩具販売事業を承継する。トイザらスが国内で展開する158店舗の取得を目指す。

韓国の人気玩具「スクイーズ」から有害物質検出で現地当局が注意喚起 ネット通じて容易に入手可能 

PPIHは、トイザらスの店舗をドン・キホーテに業態転換する可能性について、選択肢の一つとして検討していると説明している。一方で、PPIHは従来型のディスカウントストアに加え、食品を強化した新業態「ロビン・フッド」を4月に立ち上げた。ロビン・フッドは2035年までに200~300店舗に拡大する計画を立てている。

PPIHは、「アピタ」などのスーパーマーケットを展開するユニーや、総合型ディスカウントストアのオリンピックも買収している。多業態化・多ブランド化を進めるPPIHにとって、トイザらスが持つ店舗網を手にする意味は大きい。業態転換で店舗の収益性を上げられる可能性があるからだ。

トイザらスがドン・キホーテの客層と異なる点も意義深い。PPIHは買収の目的の一つに「トイザらスが持つファミリー顧客基盤と、PPIHが持つ若年層・幅広い顧客基盤を掛け合わせること」を挙げた。

ドン・キホーテの店舗内にトイザらスを展開し、従来とは異なる顧客層を呼び込むフックにすることができるわけだ。ドン・キホーテのリピート客へと育成できれば、集客力を高められる。

また、PPIHは玩具市場において、トレンドが大人向けの「キダルト(キッズとアダルトを組み合わせた造語)」に向かっていることにも注目しており、大人向け玩具を強化する意向も示している。

ただし、高い壁も立ちはだかっている。

トイザらスは8期連続赤字

まず、トイザらスはロードサイド型の独立店よりも、ショッピングセンターに入居する店舗が多い。契約形態にもよるが、テナントとして入居している場合、そう簡単に業態転換や退店を進められるものではない。契約期間中に退店すれば、違約金が発生する可能性もある。

PPIHはトイザらスの改装費について、大規模な投資を前提としているわけではなく、買収前の既存の改装計画の範囲内で実施できる部分も多いと発言した。

トイザらスの日本法人は、8期連続で赤字を計上していた会社だ。大がかりなリニューアルを行わず、収益性の向上が図れるのかは現時点では不明確である。PPIHは、2027年2月に行われる第2四半期決算の発表時に、投資計画や業績への影響を発表するという。

PPIHは2026年7月にオリンピックを完全子会社化したばかり。オリンピックは3期連続で最終赤字を計上しており、V字回復をしなければならない。二つの再生案件を同時に進めれば、店舗運営や商品調達、改革を担う人材への負担が増す可能性がある。

ユニーでの成功を再現できるか

PPIHにはスーパーのユニーを買収して成功させたイメージがあるが、不採算店の整理などを進めたのは旧ユニー・ファミリーマートホールディングスだ。

完全子会社化の前に、6店舗をドン・キホーテとのダブルネーム店に転換し、売り上げや利益の改善ぶりも確認していた。PPIHは、その実績を踏まえて店舗の転換を拡大するとともに、既存店の運営や仕入れも改革した。

既存のドンキモデルを適用できる点が強みだったが、オリンピックやトイザらスには、こうした収益向上を図る布石に乏しいように見える。

キダルト商品の展開もハードルが高い。キダルトの狙いは、高額な商品を購入するマニアや熱烈なファンを呼び込むことだ。彼らを満足させるためには、豊富な商品知識に基づく仕入れ力やイベントの企画力など専門的なノウハウが必要になる。人材の育成などには時間がかかるだろう。

トイザらスの買収は、中長期的な成長を支える効果はあるかもしれない。だが、短期的には業績の足を引っ張る可能性がある。

文/不破聡 内外タイムス

関連記事一覧