【速報】今野智博元衆院議員に有罪判決、事務員らに弁護士名義を貸し懲役1年6カ月
弁護士資格を持たない事務員らに自己の弁護士名義を貸して法律事務を行わせたとして,弁護士法違反の罪に問われた元衆議院議員の今野智博被告の裁判で、東京地裁は18日、本件において弁護士法27条の名義貸しが成立するとして、今野被告に懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。
この裁判は、今野被告が依頼者から詐欺被害案件の事件を受任するにあたり、今野被告自身が依頼者と直接面談などを行わず、事務員らに依頼者からの被害状況の聞き取りや依頼者との委任契約の締結を任せていたことが弁護士法上の名義貸しにあたるとして、令和6年7月に起訴されていたものである。
今野被告は、同年11月に開かれた初公判で「私が事務員らに自己の弁護士名義を貸したことはありません」と全面的に無罪を主張し、以後、審理が進められていた。
検察側は論告で、「(依頼者と)委任契約を締結するに当たっても、当該事件において取り得る法的手段や被害金回収の見込みを法的知見に基づいて適切に判断した上で行うことが必要である。したがって、委任契約の締結は(弁護士法上の)『その他の法律事務』に該当する」などと述べ、これを事務員らに行わせていたことから今野被告には弁護士法上の名義貸しが成立すると指摘し、懲役1年6カ月を求刑していた。
これに対し、弁護側は、「弁護士法72条に規定される『法律事務』とは、他人の法律事件に関する法律事務のことであり、依頼者と委任契約を締結することは、今野被告本人が当事者として行うものであるから、そもそも他人の法律事件に関するものとは言えず、『法律事務』に該当しないこと」を主張していた。
また、「いわゆる弁護士による名義貸し事案というのは、弁護士が、自己の弁護士名義を利用させることで、弁護士でない者らが弁護士にしか認められていない法律事務を行い、名義を貸した弁護士は、名義貸し料として一定金額を受け取るというものである。つまり、形式上は、弁護士が依頼案件の業務を行っているような体裁がとられているが、実態は、その業務に弁護士が関与せず、弁護士でない者が業務を処理しているものをいうのに対し、本件において今野被告は、依頼者から委任された詐欺被害金の回収業務をすべて今野被告自身が行っており、これら業務を今野被告の関与なしに事務員らが行っていた事実は存在しないことから、今野被告に名義貸しが成立する余地はないこと」を強調していた。
実際、先に行われていた被告人質問において、今野被告は、詐欺事件に利用された銀行口座の凍結申請を3161件、詐欺加害者の住所等を特定するために弁護士会に対して行う弁護士会照会の申立てを1813件、詐欺加害者やこれに銀行口座を提供した口座名義人らへの損害賠償請求を2519件以上行っており、示談交渉の結果、加害者側と示談するなどして回収した債権額は3億円を上回ることが明らかにされていた。
今回の東京地裁の判決は、検察側の主張をほぼ全面的に認め、弁護側の主張を退ける結果となった。なお、今回の判決に対し、弁護側は控訴する意向を示している。
判決は受けて、弁護側は、「不当な判決であると考えている。事実誤認も多々あることに加え、公判で弁護側が主張していた点について、ほとんど回答していないに等しい。どのような理屈で裁判所が有罪の判断を下したのかは判決文を詳細に検討してみないと分からないが、当方の主張を裁判所が正確に理解したとは思えない。弁論で指摘したように、依頼者から委任された詐欺被害金の回収業務を今野被告自身がすべて行っている本件において、今野被告に名義貸しが成立する余地はない。いずれにしても、今回の判決は、今後の弁護士業務に大きな影響を及ぼす可能性もあることから、将来に禍根を残さないよう適切に対応していきたい。当然、控訴することになると思う。」などとコメントした。


