予防費5097万円不用に 市議会決算委
宮古島市議会の9月定例会は14日、予算決算委員会(下地茜委員長)で2021年度一般会計決算の審議と表決を行い、全会一致で認定した。同日は保健衛生費や農業振興費の予算執行状況、計画が変更されたし尿処理施設整備の進ちょくなどについて各委員が質問。市当局は新型コロナワクチンの3回目接種を希望する市民が想定の5割ほどにとどまったことなどが原因で、予防費が5097万円不用になったと説明した。9月定例会は台風12号の影響で日程が変わり、15、16の両日、各常任委員会を開く予定。
保健衛生費のうち、予防費の委託料が5097万円不用額となったことについて、久貝美奈子氏が説明を求めた。湧川ワクチン対策室長が「新型コロナワクチンの接種を希望する市民が想定より少なく、1・2回目が8割台、3回目が5割強にとどまったことで不用額が生じた。また、接種情報を管理するシステム構築が予定より安価で行えたのも要因」と述べた。
集団や個別の健康診断を受ける市民が少なかったことで、健康増進事業の委託料も1266万円の不用が生じたという。
狩俣勝成氏などが農業振興費のうち農薬などの補助について質問。砂川朗農林水産部長が答弁した。
有機質肥料購入に1060万円を支出し、不用額は36万円。緩効性肥料は441万円の支出で不用額108万円。補助率はキビ病害虫防除農薬が夏植え36・8%、春植えと株出28%、有機質肥料は夏植え24%、春植え21・9%、緩効性肥料は5・89%。
砂川部長は補助率の決定について「50%以内という要綱で募集しているが、予算の範囲内で支給するため、申し込みが多ければ最終的な補助率は下がる場合がある。今年度は下限が30%になるように実施している」と説明した。
前里光健氏などが、伊良部佐和田での新施設建設から平良荷川取の現施設改修に計画を変更した尿処理事業の状況について質問。
下地睦子環境衛生局長は「今年度は2747万円の予算で基本設計を行っており、11月ごろまでかかる見込み。来年度は実施設計を6月ごろまで行い、8月ごろから工事を開始する予定。実施設計は5600万円程度を想定している。工事費は全体で20億800万円、初年度は3億7800万円を防衛省に申請している」と述べた。
委員会冒頭では決算資料で市債発行額が誤っていたことも報告され、委員からは再発防止を強く求める指摘が相次いだ。