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日本製品もバカ売れする「独身の日」、中国恒例の30兆円通販イベントの光と闇

11月11日、中国のネット通販市場が巨大な買い物祭りに包まれる。「独身の日」と呼ばれるこの日は、今や世界最大級の通販セールとして知られ、取引額は30兆円を超える規模にまで拡大した。

数字の「1」が4つ並ぶことから、1993年ごろ、南京の大学生たちが独身者同士で集まる日として楽しんだのが始まりとされるが、転機となったのは2009年。アリババが運営する通販サイトで11月11日の大規模セールを始めると、ほかの通販企業も追随し、商業施設や実店舗も巻き込む国民的な商戦へと成長したのである。

そのなかで長年にわたり存在感を示してきたのが、衣料品や美容機器、化粧品といった日本製品だ。品質や使い心地への評価に加え、日本を訪れた際に商品を知り、帰国後に通販で買い続ける消費者がいることも要因に挙げられる。

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日本企業にとっては訪日需要を継続的な売上につなげる好機となり、中国の消費者にとっては、使い慣れた商品を自宅にいながら手に入れられる利点もある。

大手通販サイトでは40以上のジャンル、1000以上のカテゴリーの商品が扱われ、衣料品や家電だけでなく、日用品、食品、旅行関連商品まで幅広い。値引きも大きく、通常約6万円のワンピースが約3万円に、通常約4万円の国内航空券が約5000円になるケースもあるという。

消費者にとっては、欲しかった商品をまとめて安く買う絶好の機会となり、2024年に販売額が30兆円の大台を突破。2025年には約37兆円規模にまで拡大したと報じられた。

返品がネック…ドレスを一度着用して翌日に返品する悪用例も

ただし、光があれば影もある。大きな問題の一つが返品の多さだ。中国では一定の条件のもと、商品到着後7日以内の返品が認められているが、このクーリングオフ制度を利用し、複数の商品を購入して比較した後、気に入らないものを返したり、複数購入による割引を受けるために商品をまとめて買い、後から一部を返品するというケースも。

パーティー用のドレスを購入して一度着用し、翌日に返品するといった悪用例も問題視されているようだ。返品が増えれば、販売業者だけでなく、配送や仕分けを担う物流現場にも負担がかかる。返品商品を受け取る配送員が1日に100個以上を扱うこともあるという。

企業側も手をこまねいているわけではない。衣服を着用してから返品する行為を防ぐため、タグを外すと返品や交換ができない仕組みにしたり、背中が隠れるほど大きなタグを付けたりするメーカーもある。

タグには「取り外した場合は返品・交換できない」といった注意書きが記されているが、それでも効果が十分でないとして、ファスナー部分にダイヤル式の南京錠を取り付ける対策まで登場。返品にここまでしなければならない現状が、売る側の苦労を物語っている。

もう一つの課題は、値引きが常態化することだ。セール期間が長くなれば、消費者は通常価格で買うのをためらい、次の割引を待つようになる。企業側も集客のためにクーポンや値下げを重ねざるを得ず、売上高が増えても利益が残るとは限らない。

こうした過酷な価格競争や市場の変容に対しては、ネット上でも「このお祭りもそろそろ限界だろ」「独身の日を当てにしていた事業者は、売れ残った在庫が大きな負担になるのでは」「日本で商品を買い占めた転売ヤーが中国国内で売れずに頭を抱えてそう」といった声も聞かれる。

安さを求める消費者と売上を伸ばしたい企業が一体となって成長してきた「独身の日」。過熱する大商戦の裏でゆがみも顕在化するなか、その巨大な商戦は、市場の魅力と今後の危うさを同時に映し出している。

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