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【田母神俊雄のニュース・レビュー】日米同盟と日本国家の自立 日本の自立は反米ではない

先般、米中首脳会談が行われたが、会談が行われるたびにトランプ大統領が何を発言するのか、それによって日本にどのような影響が及ぶのかを、日本政府も日本のマスコミも大きく気にしている。

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なぜ日本は、米国の一挙手一投足にこれほど左右されるのだろうか。その背景には、日本が安全保障を米国に大きく依存しているという現実がある。

日本は憲法上自衛隊を正規日本軍と認定していないため、自衛隊が行動するためには国内法上根拠となる法律が必要なのである。軍は国際法の禁止規定を守って自由に行動すればよいが、自衛隊は禁止規定に縛られることは当然であり、日本政府がやっていいと認めたことしか実施できない。

軍はいわゆるネガティブリストで行動するが、自衛隊はポジティブリストで行動するのである。これでは国を守ることができず、米国を当てにせざるを得ない。また主要な防衛装備についても米国製あるいは米国との共同開発・共同運用に依存する部分が大きい。この状況では、米国の政策変更が日本の安全保障政策に直接影響することは避けられない。

だからといって、日米同盟を否定すべきだということではない。むしろ日本に必要なのは、米国との協力を維持しながら、日本自身の防衛能力を高め、米国に過度に依存しなくても国家の安全を守れる体制を作ることである。

「国家の自立」と「反米」は同じではない。自分の国を自分で守る能力を持った上で、米国と協力することこそ、より安定した同盟関係につながる。

主要兵器を含む防衛産業と科学技術の基盤確立を

そのためには、まず防衛産業の基盤を強化する必要がある。戦闘機、ミサイル、艦艇、レーダー、衛星、電子戦装備など、国家の安全保障に直結する主要装備について、国内で研究開発し、生産し、修理・整備できる能力を持つことが重要である。

特に弾薬やミサイルの生産能力、半導体、重要部品、衛星通信などの基盤を国内に確保することは、長期的な防衛力に直結する。

同時に、財政制度についても考える必要がある。財政法4条は国債発行を原則として制限している。しかし、防衛、エネルギー、インフラ、科学技術など、将来の国家基盤を形成する分野への投資まで、短期的な財政収支だけを理由に抑制すべきなのかは議論が必要である。

国債は政府にとっては負債である一方、その国債を購入する民間にとっては金融資産でもある。重要なのは、国債を発行するか否かだけではなく、調達した資金を将来の生産力や安全保障能力の向上につながる分野にどう使うかである。

国家の自立とは、米国と距離を置くことでも、中国やロシアと対立することでもない。日本が自国の意思で外交政策を選択できるだけの経済力、防衛力、技術力、エネルギー・食料などの基盤を持つことである。その上で米国とは協力し、中国やロシアとも日本の国益に基づいて必要な対話を行えばよい。

日本が目指すべきなのは、「米国に従う国」でも「米国と対立する国」でもない。「自分の国は自分で守る能力を持ち、その上で米国とも協力する国」である。その第一歩は、主要兵器を含む防衛産業と科学技術の基盤を国内に確立することだ。

国家としての選択肢を増やすことこそ、真の意味での国家自立につながるのである。

第29代航空幕僚長 田母神俊雄

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