災害で基地局が壊れてもスマホがつながる 20キロ上空から電波を届ける「空飛ぶ基地局」とは
災害で地上の基地局が壊れても、空からスマートフォンをつなげられる仕組みの実現に一歩近づいた。
ソフトバンク、一橋大学、国立極地研究所は17日、「空飛ぶ基地局」と呼ばれるHAPS(ハップス)を地上からレーザーで追い続け、その距離を測る実験に世界で初めて成功したと発表した。動き続ける機体の位置を正確につかむことで、将来、地上・空・宇宙を高速通信で結ぶ技術につなげる。
今回使われた空飛ぶ基地局は、無人の飛行船。飛行機よりも高い約20キロの上空に長時間とどまり、地上へ携帯電話の電波を届ける。広い地域を上空からカバーできるため、山間部や海上など、地上の基地局を設置しにくい場所での活用が期待されている。
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これに先立つ2日、ソフトバンクは空飛ぶ基地局から地上のスマートフォンへ電波を届ける通信試験にも国内で初めて成功したと発表。高知県室戸市周辺で、音声通話やメッセージ、SNS、動画視聴、ビデオ通話などが利用できることを確認した。また、大規模災害が起こった場合も想定し、地震や津波の緊急速報メールと海上保安庁への118番通報も試した。
この仕組みが特に役立つと考えられているのが、大規模災害だ。地震や豪雨で地上の基地局が壊れたり、停電で動かなくなったりすると、電話やインターネットが使えず、安否確認や救助要請が難しくなる。道路が通れなくなった場合、復旧用の車両や通信機器を被災地へ運ぶのにも時間がかかる。
一方、空飛ぶ基地局が実用化されれば、地上の設備をすぐに復旧できない地域にも、上空から携帯電話の電波を届けられる可能性が生まれる。住民が家族の安否を確認したり、避難情報を受け取ったりするだけでなく、自治体や救助隊の連絡手段としても活用可能。山間部や離島、海上など、普段から電波が届きにくい場所を補う役割も期待される。
将来的にソフトバンクが目指しているのは、地上の基地局、空飛ぶ基地局、宇宙の人工衛星を組み合わせた「3次元ネットワーク」。普段は地上の基地局を使い、災害地域や山間部、離島、海上などを空や宇宙から補うというもの。つまり、複数の通信手段を組み合わせ、場所や状況に左右されにくい通信網をつくる構想となる。
空飛ぶ基地局は、まだ限られた地域や期間で試験を行っている段階にある。ソフトバンクは通信品質や運用方法の検証を進め、2027年以降の国内商用化を目指している。






