手数料18%で収益力増強 メルカリを変貌させる「メルペイ」の強みとは
メルカリの収益力が高まっている。8月5日に発表された2026年6月期の通期決算における営業利益率は約19%。前期比で約5ポイント上昇した。主力であるフリーマーケットアプリ「メルカリ」における国内の流通総額の増加も影響しているが、同社が手掛ける金融事業が好調なことも、稼ぐ力を高めている要因になっている。
金融事業における2026年6月期の営業利益は約91億円で、前期のおよそ2倍に拡大。利益率は14%で、5ポイントの上昇だ。
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メルカリが展開するクレジットカード「メルカード」の発行枚数は、2026年6月末時点で約632万枚。1年で約130万枚増加しており、会員の獲得は順調に進んでいる。ただし、会員獲得に必要な広告宣伝にも多額の費用を投じている。2026年4月~6月の広告宣伝費は59億円で、前年同期比で1.6倍に膨らんだ。
一方、この期間の金融事業の利益率は前年同期比で1.5ポイント上昇した。多額の広告費を投じているにもかかわらず、稼ぐ力も高まっているのだ。
その要因の一つに「メルペイ」の手数料率の引き上げがありそうだ。2026年1月1日から手数料を実質年率15%から18%に引き上げている。2026年6月末時点のメルカリ金融事業における定額払いと分割払い(支払回数3回以上)の債権残高は2444億円。1年でおよそ45%も増加している。
定額払い・分割払いの債権残高の増加率は、手数料率を引き上げる前と後とで、大きな変化がない。手数料率を引き上げた後も、利用者数の拡大にブレーキはかかっていないのだ。
フリマアプリ運営が「金融で稼ぐ」
定額・分割払いの手数料は、いずれも実質年率18%と、決して低い水準ではない。定額払いは、一定の条件を満たせば最低月1000円から自由に設定できるのが強みだ。月々の支払額を抑えやすいのだが、残高が積み上がれば返済期間が長期化し、手数料負担も増える。
メルカリは2026年6月期の国内の流通総額が15%も伸びている。2025年6月期は4%の伸びにとどまっていた。流通総額が増加している背景には、エンタメ・ホビーの取引が好調なことがあるという。推し活消費やキャラクターグッズの人気が高まっていることが、メルカリの活性化にもつながっているようだ。インフレによる節約志向の高まりから、リユース商品に消費者の目が向いていることもあるだろう。
メルカリは経済圏の拡大に力を入れてきた。メルカードやメルペイは経済圏拡大の象徴的なサービスだ。そして、少なくとも収益面では成果が表れ始めている。フリマアプリの取引が活発化し、定額・分割払いの債権残高が増え、手数料収入を得ることで稼ぐ力を高めているからだ。そしてそれは支払い負担を減らすという意味で、消費者にとっても恩恵が大きいように見える。
さらに、メルカリは少額の融資サービス「メルペイスマートマネー」の金利上限を、15%から18%に引き上げる計画を立てている。2026年9月1日からの引き上げを予定していたが、10月以降に適用時期を延期した。決済だけでなく、与信・融資まで金融サービスの領域を広げている。
メルカリは2025年6月期の売上成長率が2%台にとどまるなど、停滞局面に入る懸念もあった。しかし、2026年6月期は19%伸びている。利益率も高い。
フリマの取引拡大と与信ビジネスが相互に回り始め、メルカリが金融で稼ぐ会社へ変貌しつつある。
文/不破聡 内外タイムス






