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台風9号の被災現場を視察する玉城知事(左) =22日、上野宮国地区の博愛漁港

博愛漁港など台風被害を視察 玉城知事、嘉数市長とも面談 インフラや農作物被害報告も

 今月10日から11日にかけて先島諸島を暴風域に巻き込みんだ台風9号により漁港や農作物の被害が大きかった宮古島に22日、玉城デニー知事が来島し、佐良浜漁港、友利・宮国地区の博愛漁港を視察した。現場で防波堤の倒壊や護岸の決壊、浮桟橋屋根の飛散状況などを確認した玉城知事は「被害額は8億円から10億円に上ると聞いている。国の災害調整、県の一般財源を工夫しながら早期に対応していきたい」と強調した。視察後は嘉数登市長と面談し、農作物や電力インフラなどの被害状況について報告を受けた。

被害状況などで面談する玉城知事(左)と嘉数市長ら=22日、市役所・市長応接室


 玉城知事は、被害が大きかった佐良浜漁港と両博愛漁港を視察した。そのうち、佐良浜漁港では浮桟橋の屋根が飛散し、泊地に水没している現状を確認。被害状況のほか、水中調査も確認したとのことで「安全に漁業が再開できるよう速やかな応急工事、泊地の運用に支障が出ないように取り組んでいきたい」と話した。また、博愛漁港で確認された激しい倒壊被害については「国との査定手続きには着工まで2~3カ月を要するため、早期に着手可能な部分から優先して手をつけていく」との方針を示した。
 市役所で行われた嘉数市長との面談では、台風直撃に伴う市内の被害状況が報告された。嘉数市長は、収穫期を迎えていたマンゴーの出荷において臨時便(JTA)や機材大型化(ANA)で滞貨回避を図った取り組みを説明した。
 一方で基幹作物のサトウキビは最も被害が大きく、被害額は3億円と説明し、「台風通過後の降雨が少なく、今後の塩害の影響を強く懸念している」と表情を曇らせた。
 期間中に設けた市内7カ所の避難所に113人が避難したことや、最大で1万7730戸が停電したことにも言及。「暑さもあり、学校給食が出せない。保育園での対応ができないなど市民、教育活動に影響を及ぼす状況になった。(これまで)停電では沖縄電力に早期復旧を要請しているが、そのための人員確保に向けての要請もしていきたい。県からの力添えもお願いしたい」と要望した。
 玉城知事は県民に情報、早めの対策などを呼び掛けたことを説明。さらに嘉数市長からサトウキビやマンゴー、牛舎損害などの被害状況もヒヤリングした。
 博愛漁港の防波堤倒壊などの対応では「国との手続きは施工まで2カ月から3カ月もかかってしまうので、早期に対応できるところから着手していきたい」との考えを示した。
 こうした現場の課題に対し、玉城知事は停電時の農漁業被害を最小限に抑える対策として「災害対応の電力設備を備えた貯蔵庫などの整備について、県と市で連携して検討したい」と示唆。これについては面談後、取材陣からの質問に対し「漁業・農産品のそれぞれに、どのようなニーズがあるのか、担当部局と丁寧に意見交換させていただきたい。そのような対応が必要であるということと財政的な対応が可能であるということであれば次年度以降は、より具体化できるような方向性に持っていくことも想定しておきたい」と語った。

倒壊した上野宮国・博愛漁港の防波堤