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朝鮮総連内部に不協和音…「南北統一放棄」受け入れの一方、国籍を問わず在日同胞と団結する矛盾、離反広がる可能性も

親北朝鮮団体である在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)は、2026年5月に開いた第26回全体大会で、自らの行動指針である「綱領」から「祖国の自主的平和統一」の文字を削除した。北朝鮮が韓国を「敵対国家」と位置付け、祖国統一路線を放棄したことを受けたものだ。

ところが、新綱領には「国籍を問わず在日同胞の和睦と団結を強化する」とする記述が残されていた。このため、韓国との統一は目指さないが、韓国籍を含む在日同胞とは団結―という矛盾が生まれており、内部から戸惑い、反発の声が上がっている。

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崩れた全会一致の原則

全体大会は総連の最高議決機関であり、綱領や運動方針、中央指導部人事を決定する最も重要な会議である。これまでは組織の結束を示す象徴として、綱領改正や人事案は全会一致で承認されることが慣例となってきた。

ところが今回の大会では、綱領改正をめぐって異例の反対意見が出された。北朝鮮の方針転換が総連内部にも少なからぬ動揺をもたらしていることを示す出来事といえる。

反対の背景にあるのは、新綱領が抱える論理的な矛盾だ。

新綱領第1項では「すべての在日同胞を朝鮮民主主義人民共和国の周りに総結集させる」と規定し、第3項では「国籍を問わず在日同胞の和睦と団結を強化する」と、従来の方針を維持している。

一方、旧綱領第6項にあった「連邦制方式による祖国統一」との表現は削除され、「世代を継いで民族性を固守する」との内容に改められた。

統一を目指す在日同胞組織であることが総連の存在意義であり、組織の専従職員や活動家たちはそれを誇りにしてきたが、その目標が突然失われた格好となった。

現在、在日コリアンの多数は韓国籍である。韓国籍の人々との交流や協力なくしては、総連系商工人の事業や朝鮮学校の運営にも影響が及びかねない。このため「国籍を問わない団結」と「統一削除」を同じ綱領に併記するという苦渋の選択をしたのだろう。

大会では全国から集まった約1500人の代議員が挙手で新綱領を採択する手続きが進められた。関係者によれば、司会者はいったん「全会一致」での採択を宣言したが、反対する代議員がおり、会場は一時ざわついたという。反対意見は、新綱領の論理的矛盾を指摘する内容だったという。

91歳の許宗萬議長から世代交代促す意見も

異変は綱領だけではなかった。人事案についても異例の反対意見が出たという。

理由は許宗萬議長(91)の健康問題である。高齢に加えて病気の影響で歩行や読字が困難になっていることから、「世代交代を進めるべきではないか」とのものだった。

新綱領、人事案とも最終的には「圧倒的多数」で可決された。しかし大会終了後には、「会場では発言できなかったが納得していない」と語る出席者もいたという。

総連内部に詳しい別の関係者は、「総連への失望は、予想以上に広がっている」と語る。「総連が北朝鮮の方針に盲従していると思われているためだ。このままでは組織の弱体化は避けられない」と指摘する。

思い出されるのは金正日総書記が2002年の日朝首脳会談で日本人拉致を認めた際、総連から多くの人が離れたことだ。今回の苦し紛れの綱領改正も、総連の活動から距離を置く人が増えるきっかけになるかもしれない。

文/五味洋治 内外タイムス

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