魂の旋律、故郷へ還る オペラ「沖縄物語」制作発表 宮古出身・金井喜久子生誕120年記念、12月に初の上演
宮古島市出身の女性作曲家である金井喜久子の生誕120年を記念したオペラ「沖縄物語」の制作発表記者会見が18日、那覇文化芸術劇場なはーとで開かれた。琉球文化と西洋音楽が見事に融合した同作品の沖縄での上演は今回が初となり、44年ぶりの再演となる。会見には共同主催者である那覇市の知念覚市長や、奈美役で主演を務める砂川涼子氏(宮古島出身)らが登壇し、12月27日に予定されている本公演に向けた舞台の概要や意気込みを語った。

同作品は、「沖縄音楽の母」と呼ばれる女性作曲家・金井喜久子が作・作曲した歴史あるオペラ。琉球古典音楽「瓦屋節」を基にした首里城の瓦職人夫婦を描いた悲恋の物語で、琉球舞踊や空手など沖縄の伝統文化を西洋音楽に組み込んだ舞台。なお、1982年5月15日に沖縄本土復帰10周年記念公演として東京都のNHKホールで初演された。
会見には知念市長、演出家の粟國淳氏、砂川氏、松金役の与儀巧氏、指揮者の柴田真郁氏、衣装デザイン・ヘアメイク監修の押元須上子氏、金井喜久子プロジェクト実行委員会の鎌田佐多子委員長らが登壇した。
鎌田委員長は「素晴らしい功績を県民に広く伝えたい」と公演の目的を説明。知念市長は「生誕120年および首里城正殿復元という節目の年に、本作を上演できることは運命的な巡り合わせだ」と強調した。なお、2026年は金井喜久子の没後40年に当たる。
本公演はセミステージ形式で上演される。演出の粟國氏は「音楽および登場人物の心理に焦点を当て、より身近に感じられる舞台を作りたい」と構想を明かし、指揮の柴田氏は過去の公演で複数存在する楽譜の解釈について「金井氏の初期スケッチを重要視しつつ、最適な音楽を引き出していく」と述べた。
主演の砂川氏は「同じ宮古島出身として親近感を抱いている。女性の持つ心の強さや優しさ、沖縄人のパワーを音楽を通して表現したい」と意欲を見せ、与儀氏も「プレッシャーはあるが、沖縄の芝居を見る感覚で楽しんでほしい」と語った。ハリウッドを拠点に活動する押元氏は「沖縄の文化を肌で感じてきた経験を生かし、世界観を的確に表現したい」と力を込めた。
会見では宮城さつき氏が司会進行を務め、企画制作グループの村上佳子氏や制作統括の知念利津子氏らも同席した。出演者らは12月の本番に向けて沖縄と東京の両拠点で本格的な稽古に入るという。
チケットは18日午前10時から販売を開始した。取り扱いは那覇文化芸術劇場なはーと、デパートリウボウのほか、宮古島市内ではBOOKsきょうはん宮古店(前売り券のみ)となっている。



