日本初の電波オークションはNTTドコモが63億円で落札 新規参入の間口広がる
総務省は6月30日、電波オークションの結果を公表、NTTドコモが63億円で落札した。高速通信規格の普及に向け同11~25日に実施。電波のオークションを日本で実施するのは今回が初となる。
ドコモが落札した電波は、高速大容量通信が可能となる「ミリ波」と呼ばれる周波数帯のうち2.626ギガ・ヘルツ帯の一部。全国に展開できる全国枠だ。落札したことで、イベント会場や主要駅周辺など、通信が集中するエリアで、携帯電話の通信容量を増強する。
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全国枠の入札には、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が参加。最低価格の39億3000万円から4回の入札を経て、ドコモが10年間の利用権を獲得した。3年以内の基地局開設と9年以内の全都道府県展開が義務付けられている。
地域枠はJTOWERとハイテクインターの2社が落札した。なお、地域枠には大手キャリアは申請できない仕組みになっている。
日本ではこれまで、事業者が基地局の整備計画を提出し、総務省が内容を審査した上で免許を与える「比較審査方式」を採用してきた。2025年4月に電波法が改正され、オークションが可能となった。
入札には資金が必要で、利用意欲の低い事業者をふるいにかけられる。落札金額は国庫の一般財源ではなく、既存無線システムの移行費用など高い周波数帯の活用促進に再投資される。
世界では主流、日本はなぜ遅れたか
電波オークションは、世界70カ国以上で導入されている。アメリカでは1990年代から導入。現在はオークション価格の高騰を防ぐため、段階的に価格が上昇していくクロック方式を運用している。イギリスやドイツでは2000年代から3Gオークションを実施した。
日本では、なぜオークションが導入されなかったのか。
オークションを実施すると落札価格の高騰や通信料金の値上げ、通信インフラへの投資が圧迫されるということが懸念されてきた。実際にヨーロッパでは落札価格高騰で基地局の整備資金がなくなり、サービス普及が遅れた例がある。
電波は国民の共有財産で、資本力のある企業だけが有利になることや過疎地で通信網整備がおろそかにならないようにする目的もある。
テレビ局はライバルを増やさないことや自分たちに優先的に割り当てられてきた周波数帯を手放したくないため反対。新聞社は、メディアコントロールにつながるといった理由で反対してきた。
純然たる資金勝負の場合、ノウハウのない新規企業の参入も可能となる。総務省は間口を広げたいという意向もあり、オークション方式が実施された。
文/並河悟志 内外タイムス編集部






