要請書を照屋副知事(左から2人目)に手渡す伊良皆村長(同3人目)=県庁

実施設計の早期採択要請 多良間村の国営土地改良事業調査

 【那覇支局】多良間村の伊良皆光夫村長は26日、県庁に照屋義実副知事を訪ね、2023年度から始まる国営土地改良事業調査の全体実施設計の採択を県が行うように要請した。照屋副知事は「県として前向きに進めたい」と話した。
 要請書によると、多良間村内には河川がなく、農業用水は降雨と集水ため池に依存するなど不安定な農業経営が続いている。同事業では水不足を解消するために、集水池を新たに3カ所新設し(仲皿、筋阿真、タナスタ)、2カ所を改修(安嘉応原、赤地原)する。水を貯める「ファームポンド」も1つ新たに設立する。事業の効果として▽かん水作業の省力化▽生産量の安定と増加▽高収益作物への転換―ができるとしている。同事業で、754ヘクタールの土地が利益を受けるとしている。
 要請後、伊良皆村長は「来年度から全体実施設計に入っていく中で、地元の意向調査として県の回答を待っている状態があるため、県に早期の回答を要望した」と述べ、その上で「国としても来年度の予算の策定前の今月中の回答を要望している。多良間の長年の懸案が解決しつつある。県には是非、採択をお願いしたい」と話した。

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