• 全国
  • 障害者福祉施設勤務の少女が長期勾留で衰弱死 元兵庫県警OB飛松五男氏「不当勾留で死に至らしめた」
  • HOME
  • 全国
  • 障害者福祉施設勤務の少女が長期勾留で衰弱死 元兵庫県警OB飛松五男氏「不当勾留で死に至らしめた」

障害者福祉施設勤務の少女が長期勾留で衰弱死 元兵庫県警OB飛松五男氏「不当勾留で死に至らしめた」

昨年6月、障害者福祉施設にて、「16歳の少女を含むスタッフから虐待を受けた」という利用者からの訴えを兵庫県警明石署が行政相談を通じて知り、十分な捜査を行わず少女るなさん(仮名)を含むスタッフ2名を逮捕した事件が起きた。

容疑内容はごく軽微なもので、昨年2月のバレンタインデーのイベントである施設利用者が他の利用者にかみつこうとしたため、るなさんがアゴに手を添えて止めたというもので、利用者に大きなけががあったわけでもなく、通常業務の範囲と思われる。

るなさんは、事件が起きたとされる昨年2月から4カ月も経過した6月17日に逮捕・勾留され、未成年の16歳にもかかわらず、少年鑑別所ではなく一般留置所の独居房で18日間も過ごした。容疑は30代の男性従業員と共謀し、重度の知的障害のある利用者のアゴに手を複数回押しつけたという内容である。

親元が明確で微罪容疑に過ぎない るなさんを逮捕・勾留するには有罪にせよ無罪にせよ、余りにも根拠の乏しいもので、 弁護士で元大阪市長の橋下徹氏は、「家庭裁判所の管轄で本来、進めていくべき」「単なる刑事事件ではなく、少年として保護しながら進めていかなければならない視点が欠如している」という見解を示した。

勾留されたるなさんは、担当刑事に「本当はやったんだろう。正直に言え」「少年院に行きたいのか」などと脅迫されたという。しかも接見禁止が付き、弁護士以外は家族とすら面会不可という凶悪犯並みの扱いだった。るなさんは、それでも無実を訴え容疑を否認、留置場で書いたノートには「私は本当にやっていません」「負けません」という文言が涙の痕跡とともに書かれていた。

るなさんは長い勾留生活の最中で脱水症状を起こして倒れ、不起訴処分となった。独居房での生活は雑居房とは違い、文字通り孤独である。雑居房なら他の留置者と弁護士手配や釈放後の生活についての情報交換をしたり、世間話をしたりするなど気が紛れるが、おそらく何の法的知識もない彼女にとって心労は大変なものだったと思われる。

釈放後、PTSDになり衰弱死

逮捕慣れした暴力団関係者ですら、「独居房はしんどいから勘弁」という人がいるぐらいなのに、16歳の少女に面会謝絶の独居房は余りにも酷である。 母親によると釈放された時のるなさんはガリガリにやせ細り、骨と皮だけのような容姿となって変わり果てていたという。

釈放後、るなさんは PTSD・心的外傷ストレス障害と診断され、体重が20キロ落ち極度の低栄養状態である「るい痩」となり、僅か16歳の生涯を昨年12月に閉じた。るなさんの母親は本人の逮捕日からちょうど1年となる今月17日に国と兵庫県に1億921万円を求めて神戸地裁に提訴した。

この事件について元兵庫県警刑事の飛松五男氏は、

「住居もあり.親の監護能力もありで、逃走・証拠隠滅の恐れが全然ないのに、警察官のねつ造報告書で真実の裏付けも一切捜査せず、検察官・裁判官が盲判を押し検察官が違法な暴行・脅迫の刑法犯罪を犯し、精神疾患・死に至らしめたことになる。特別公務員暴行陵虐罪・殺人容疑で担当警察官を逮捕して明石警察署を捜索し、責任のある上司、警察署長、本部長までも逮捕して捜査すべきや」

と話す。

また、自身も刑事だった経験から少女を取り調べた担当刑事の心理状況について、

「罪を認めない被疑者を刑事は『生意気や』と思うだけ。ワシもそんな時があった。 だから、反省なんかするはずがない」

とも推測する。

この事件が起きた当時の兵庫県警本部長は、「業者から不適切に酒類の提供を受けた」 として、警察庁長官注意処分を受け辞職した人物で、NHK党の立花孝志氏逮捕の指揮をとったことでも有名だ。

奇遇にも、るなさんが亡くなった昨年12月に辞職に追い込まれており、天下り先もなく今は無名の市民として暮らしているようである。村井氏も不祥事で辞めただけに、捜査機関も忖度(そんたく)なく手錠をかけるかもしれない。果たして、飛松氏の言うようにトップにも捜査の手は伸びるのか。

文/角田裕育 内外タイムス

関連記事一覧