1日、未来創造センター・多目的ホール

市民と観光の共生探る 観光振興ビジョンでシンポ

 宮古島市(嘉数登市長)は1日、未来創造センターで「宮古島市観光振興ビジョン・シンポジウム」を開催した。2024年度の入域観光客数が約119万人と過去最高を更新するなか、「居てよし、来てよし」の持続可能な観光地の在り方を議論。嘉数市長をはじめ、各界のパネリストらが登壇し、観光の恩恵をいかに市民生活の実感につなげ、経済効果の島外流出を防ぐかといった喫緊の課題について、市民らと共に未来の方向性を探った。
 シンポジウムは二部構成で行われ、第一部では帝京大学経済学部の篠崎宏教授が宮古島観光の現在地について講演。第2次市観光振興基本計画の進捗状況を振り返りつつ、本年度策定される新たなビジョンが、市民の考える「あるべき姿」を共有するための指針になると説いた。
 パネルディスカッションでは「住民と観光客との共生」や「地域主導による経済循環」など5つの柱を軸に議論を展開した。


 そのうち、パネリストの奥平幸司氏は、観光の利益を島内に留めるための方策として「地産地消」の徹底を強調。宮古島産野菜の供給が途切れる時期に島外産を使わざるを得ない現状を指摘し、「冷凍保存技術などを活用し、年間を通して島の食材を安定提供できれば、島はより豊かになる」と数年前から一貫して訴えている持論を展開した。
 嘉数市長は冒頭のあいさつで、観光客数の増加を「新たな局面」と歓迎する一方、「恩恵が暮らしの実感に繋がっていないという市民の切実な声がある」と言及。市民も観光客も「ウィン・ウィン(Win-Win)」になれる解決策の提案に期待を寄せた。
 会場では、二次交通の不足や施設の老朽化、インバウンド受入体制といった具体的な課題と対策事業についても紹介され、参加した市民らは真剣な表情で耳を傾けていた。

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