下地島空港バス盛況 2次交通不足で需要増
下地島空港と市内各地のリゾートホテルや宮古空港を結ぶバスが、連日多くの観光客で満席になるほどの活況を見せている。バスは中央交通(森良和代表)と協栄バス(豊見山忠朗社長)の2社が運行。コロナ禍の行動制限がなくなり宮古島を訪れる観光客が大きく増える中、レンタカーやタクシーなどの2次交通不足が深刻になっていることからバスの需要が増大しているという。旅行代理店がパックに組み込んでバスチケットを販売している例もある。
両社とも下地島空港バスを運行して3年になるという。コロナ禍で飛行機が減便されほとんど利用客がいない時期もあったが、行動制限のない観光シーズンを迎えた今夏は、バス停に長蛇の列ができるほど多くの観光客が利用している。
中央交通の森代表は「3年間さまざまな試行錯誤があった」と振り返る。空港バスの存在を旅行代理店などに周知し、チケットの販路を確保したことが現在の活況につながったという。
森代表は「宮古には空港が2つあり、たくさんホテルも建っているが、点と点を結ぶ交通手段の不足が課題になっている」と指摘。「レンタカーが取れずに予約をキャンセルされるといった事例もあり、旅行代理店も危機感を覚えている。苦肉の策かもしれないが、ホテルまでの足として空港バスをセットで販売してくれている状況」と説明した。
協栄バスは旅行代理店での販売は行わず、通常の路線バスと同じ形態だが、多くの搭乗客を確保している。同社社員は「下地島空港は遠いので、宮古空港のようにレンタカー会社が迎えに行かないことがある。バスで市内まで移動してからレンタカーを借りるという人も多い」と述べた。
宮古空港の停留所で16日、エアポートバスを待っていた神奈川から来たという家族連れの観光客は「これから下地島空港に行き帰るところ」という。「下地島空港でレンタカーが確保できなかったので、宮古空港までバスで移動してレンタカーを借りるというプランになった」と語った。
市では10日から、3年目となるループバスの実証運行も始まっている。森代表は「免許を持っていない若者など、あらゆる人に魅力ある観光地となるためにも、交通インフラの整備はとても重要」と述べた。