
月灯り、海にこだます島の声 第18回なりやまあやぐ 大賞に川元真依さん
宮古民謡「なりやまあやぐ」の発祥地、城辺友利のイムギャーマリンガーデンで12日、第18回なりやまあやぐまつりが行われた。月明かりと灯籠に照らされた海上特設ステージで、一般の部と子どもの部の出場者が情感豊かに歌声を響かせ、観客を魅了した。審査の結果、一般の部の大賞には川元真依さんが選ばれた。子どもの部は仲田明貴さん(平一小5年)が優勝し「御神山賞」を手にした。
同日午前には安全祈願祭や奉納歌、一般の部予選が行われ、夕暮れとともに本選が始まった。友利獅子舞保存会による獅子舞の座開きで幕を開け、砂川小学校児童による校歌遊戯、みるく口説保存会の「みるく口説」など伝統芸能が披露された後、子どもの部と一般の部が順に舞台に立った。
子どもの部で「御神山賞」に輝いた仲田さんは、「とってもうれしい。少し自信はあった。毎日練習して声の大きさを工夫した」と2年目の挑戦で悲願の初優勝に笑顔。昨年は2位で悔しい思いをし、兄が3年前に大賞を受けた姿に憧れての再挑戦だった。「中学生になっても出場して、大賞を取りたい」と意気込んだ。
一般の部「なりやまあやぐ大賞」に輝いた千葉県出身で宮古島在住8年目の川元さん(33)は「この日を夢見て三線を始めた。名前が呼ばれた瞬間は夢のようだった」と感激の涙を見せた。4回目の出場で、本戦出場は3回目。去年は惜しくも大賞まで届かず、1年間深い呼吸の練習を重ねて臨んだという。「なりやまあやぐは宮古民謡の中でも難しい。古典音楽や琉球民謡も学びながら自分の歌に生かした」と語った。
現在は建設業の事務をしながら民謡居酒屋などでも歌っており「これからは人生をかけて宮古民謡や琉球芸能の道を探究していきたい。いつか島の人に『あなたが歌ってもいい』と言ってもらえるようになりたい」と力を込めた。
まつりの最後には花火が打ち上がり、観客から大きな拍手が送られた。
結果は次の通り。
【一般の部】なりやまあやぐ大賞=川元真依▽金志川賞=狩俣良眞▽イムギャー賞=西銘結衣▽あま井賞(あまがーしょう)=ヴァンマイシー▽本島賞=川満美生【子どもの部】御神山賞=仲田明貴(敬称略)