ヤングケアラー推定7450人 県が初調査

 【那覇支局】県は14日、県内の小学5年生から高校3年生までの児童生徒13万6065人を対象にした家族の世話などをしている、いわゆる「ヤングケアラー」の実態調査の結果を発表し、家族の世話を「週3日以上」または「週2日以下だが1日当たり3時間」行っているヤングケアラーは5・5%(約7450人)いると推定した。このうち日常生活に影響が出ていて支援が急がれる子どもは1・8%(約2450人)いるとした。
 調査は昨年9~10月、各学校を通して、依頼文を配布し、児童生徒がウェブ方式などで回答した。回収総数は40・6%の5万5293人で、うち34・7%の4万7180人が回答し、その結果を分析した。宮古地域からは1338人が回答した。
 世話をする家族がいると回答した小学生は13・1%、中学生が11・5%、高校生が8・5%と一概に比較できないものの、全国調査の小学生6・5%、中学生5・7%と比較すると2倍近く高い水準となっている。一方、宮古地域では小学生が4・4%、中学生が7・7%、高校生が11・2%だった。小中では県や全国調査を下回ったものの、高校生では県の数値を大きく上回り、県内6地区では最高だった。
 世話をする頻度は小学生の32・6%、中学生の28・9%、高校生の28・7%が「ほぼ毎日」と回答し、時間ではどの属性でも「3時間未満」が約30~40%を占める一方、7時間以上も3%に上った。休日では3時間以上と回答した割合はどの属性でも増加した。
 世話をしているためにやりたいけれどできないことが「ある」との回答では「自分の時間」、「睡眠時間」、「勉強時間」に関して6~10%が不足していると回答した。
 玉城デニー知事は「本当に必要なサービスや支援が届けられていない実態が明らかになった。この数字は非常に衝撃的な数字で、このような状況にいる子どもたちが多くいることを重く受け止め、早期に発見し、支援につながる取り組みを急がねばならない」と述べ、今年度からコーディ―ネーターを新たに配置するとともに、ヤングケアラー本人や保護者らに対応する相談支援体制を強化することを明らかにした。合わせて学校現場や市町村とも連携し、支援に必要な施策や体制を検討していく考えを示した。

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