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約60人が石川さんの記録する理由を聞き、創作活動へのヒントを学んだ =9日、市未来創造センター・研修棟

心に刻む瞬間を物語に U18短い物語創作へ 記憶を残す重要性強調 石川さんヒントの種まく

 市文化協会(饒平名和枝会長)主催の宮古島文学賞関連事業「第2回U18短い物語コンテスト」のワークショップ「育てよう!自分の中の物語のタネ」が9日、市未来創造センターで始まり、小学生から一般まで約60人が参加した。講師には写真家で作家の石川直樹さんを迎え、記録や写真、文章表現の意義について学び、参加者は創作の視野を広げ、物語づくりのヒントを得た。

石川直樹さん


 主催者の饒平名会長は「石川さんの未知なるものへの挑戦や、体験談に基づく講話は心に響く。講話から子どもたちが夢や生き方を考え、U18の物語へのタネを拾うことができれば」と述べた。
 石川さんは冒頭、高校時代に両親の反対を押し切ってインド・ネパールへの旅に出たことを紹介。海外を旅しながら現地で多様な価値観や暮らしに触れ「日本の常識が世界の常識ではない」と実感したと述べ、その体験を旅行会社の小冊子に連載したことが執筆活動の原点だと明かした。以来、ヒマラヤ登山を重ね、昨年ついに8千㍍峰14座を完登し、自らの活動を写真やVTRで紹介しながら文章や写真に記録する理由を語った。
 物書きを続ける理由については「冒険譚が好きで本や写真をきっかけに旅に出た。今度は自分の残したものが、誰かの旅に出る後押しになれば」と話し「文章に書いたり、写真に撮ったりしないと出来事や風景は忘れら去られてしまう。記録することで残り、それは個人を超えて人類全体の記憶となる」と説明した。
 また、登山や旅で出会った人々や失われた村の村の記録を通じ、事実をそのまま伝える大切さを強調。文章や写真については「面白くしようと意図せず、自分が感動した瞬間を残すことが大事。意図的なものより重要なことが残る」とアドバイスした。
 第2回は15日に前回受賞者の下地希星さんと仲間友佑さんによる先輩トーク、第3回は23日に第4回一席で詩人・作家の野原誠喜さんによる参加者全員で一つの物語を創作する超実践型講座を予定している。

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