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グリーンベルト植栽作業に励む児童ら =大栄生コン前の畑

3年ぶりグリーンベルト植栽 土壌保全の日 伊良部島小中児童ら汗光る 美しい海守る緑の一株

 「土壌保全の日」にちなんだ関連行事として、宮古地域農林水産業推進会議(会長・金城靖宮古農林水産振興センター所長)は17日、伊良部地区でグリーンベルト植栽のセレモニーを開催した。3年ぶりの開催となる今回は、伊良部島の傾斜地にある畑を舞台に、農家や関係機関に加え、伊良部島小中学校の6年生31人が参加。農地からの土壌流出を防ぎ、美しい海を守る大切さを学ぶ機会となった。
 「土壌保全の日」は沖縄県で毎年6月の第一水曜日に開催されるイベント。5月の第三月曜日から30日間を「土壌保全月間」と定めており、土壌保全の重要性を啓発する日として世界中で認識されている。今回は梅雨の時期をさけ、同日の開催に至ったという。
 児童らはこの日、事前に同校で赤土流出防止や土壌保全の目的や対策などを学習し、セレモニーに参加した。
 セレモニーは、伊良部南区にある大栄生コン前の畑で開かれ、主催者を代表して金城所長が「宮古は比較的平坦だが、豪雨による土壌流出が度々発生している。放置すれば生活環境や農業生産、そしてサンゴ礁の広がる美しい海にも悪影響を与える」と警鐘を鳴らした。
 その上で「今回の活動を通して、自然環境と生活のつながりについて学んでほしい」と呼びかけた。
 植栽作業では、リュウノヒゲやキキョウランの苗が用意され、児童らはクワやスコップを使いながら、1人当たり1~2㍍の幅で苗を丁寧に植え、グリーンベルト作業を行った。傾斜のある畑で、さらさらとした砂状の土壌に悪戦苦闘しながらも、汗をぬぐいながら協力し合って作業を進めた。
 参加した児童は「思ったより土が柔らかくて歩きにくなった」「これを植えることで土が流れていかなくなるのがすごいと思った」と話していた。
 この活動は、土壌流出を未然に防ぎ、農地の地力を維持する目的で毎年行われていおり、地域の子どもたちが体験を通じて自然保護への関心を高める貴重な取り組みとして、今後も継続が期待されている。

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