
障がいの壁越える共生の場 ついに開所「おもちゃ図書館」 知育玩具や絵本の貸し出し
障がいのある子どももない子どもも共に遊び、交流し、育ち合うことを目的にした「おもちゃ図書館」が10日、市平良老人福祉センター内に開所した。開所式には初めての利用者として、宮古特別支援学校の児童12人が訪れた。同施設ではおもちゃや絵本の貸し出しを行っており、子どもたちは好きなおもちゃを手にして笑顔を見せた。宮古島でも「遊びを通じた共生」の場が本格的にスタートした。

この取り組みは、障害のある子どもたちにも遊びの場を提供したいというボランティア活動から始まったもので、全国ではすでに約500カ所が開設されている。
市社会福祉協議会が運営し、知育玩具や絵本の貸出所としての側面だけではなく、子どもたちが安心して遊び、人と出会い、思いやりを育てる「地域の広場」としてより多くの子どもたちに開かれた空間を目指す場所だという。
開所式で見学に訪れた子どもたちはそれぞれ興味を持ったおもちゃを選び、持ち帰って楽しんだようだ。校外学習も兼ねた来館に、関係者や職員の表情もほころんだ。
貸し出しにあたっては、1人につきおもちゃ2点まで、絵本は2冊までが原則。貸出期間は最長で2週間。土日祝日、慰霊の日、年末年始は休館。開館時間は午前9時から正午、午後1時から同5時まで。
利用対象は市在住の小学生以下の子どもとその保護者に限られ、営利目的での利用は禁止されている。借用者は借用書に必要事項を記入し、責任を持っておもちゃの管理および返却することが求められる。万が一、紛失や破損が発生した場合は、社協の備品保険で対応されるとのこと。
地域福祉課の友利徹則課長は「きょうをきっかけにスタートする取り組み。これを機にぜひ活用して楽しんでいただけたら」と利用を呼び掛けた。
3月におもちゃや絵本を贈呈した沖縄労働金庫(ろうきん)から出席した宮古地区推進委員会の大城元樹委員長は「これからもいっぱい遊んで、楽しい生活につなげてほしい。新しいおもちゃや絵本も今後用意できれば」と語り、内間陽大宮古支店長も「いろいろな子どもたちが自由に使える場所として、宮古島のためになったらうれしい。推進委員会としても新しいおもちゃを増やしていきたい」と話した。