新たな対処方針を発表する玉城知事 =県庁

「医療事態宣言」発出県、新たな対処方針を発表

 【那覇支局】玉城デニー知事は21日、県新型コロナウイルス感染症対策本部会議終了後、県庁で記者会見し、感染の急拡大を受け、22日から8月14日までの新たな対処方針を発表した。「急激な感染拡大を抑え込み、県民の生活や命を守るための緊急対策」として、会食時の人数や時間制限、イベント開催時のアルコール提供の自粛やイベントの延期を求めた。その上で、深刻な医療ひっ迫に対して「県医療非常事態宣言」を発出し、医療を守る協力を求めた。
 新たな対処方針では▽1000人以上が参加するイベントは感染防止安全計画の県への届け出を求め、アルコールを伴うイベントは開催延期の検討を求める▽会食は4人以下、2時間以内▽不要不急の外出自粛▽少しでも症状がある場合は通勤、通学を控える▽ワクチン接種―を県民に要請した。知事会見後、取材に応じた専門家会議で委員の佐々木秀章医師は「県がアルコール提供のイベント開催の検討を求めるという強い言葉を出すことで、イベント事業者や県民の行動が変わって、対処方針を守ろうという意識に結び付くことを期待する」と話した。
 玉城知事は「一般医療を含めた救急医療体制の維持が厳しくなり、県民はけがの治療や救急救命医療など、今まで受けていた医療も受けられない状態にすでになりつつある」と危機感を示し、県医療非常事態宣言を発出。宣言では▽症状がある時は外出せず、7日間は高齢者などの重症化リスクの高い人と会うのを控える▽軽症や検査目的で救急病院の受診は控える▽自身の感染対策を見直し、マスク着用や換気の徹底を求める―の3つの協力を求めた。
 救急医療のひっ迫を軽減するための対策として、日曜や祝日に発熱外来診療を実施する医療機関に対し、最大40万円の協力金を支給することも併せて発表した。
 玉城知事は「感染拡大が続いている現状では行動制限を含めたさらなる強化策を検討していく」と述べ、感染拡大が続けば、さらなる措置の検討も示唆した。

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