旧平良庁舎に残されている備品類
=提供動画から抜粋
旧平良庁舎に多数の備品
旧平良庁舎の供用が終了して1年半以上が経過したが、建物中には大量の備品が残されたままになっている。市は市民への譲渡会を開く意向を度々示しているが、所管する財政課は本紙の取材に対し「対応は遅いと認識している」と述べた。
同庁舎は1993年に旧平良市役所として供用を開始。05年の市町村合併後は宮古島市役所平良庁舎として2020年末まで、市の行財政運営の拠点となった。市民から提供された動画で4月上旬、建物内部には大量の机やいすのほか、ソファなどの応接器具、額入りの書や赤べこなどの調度品が残されたままになっていることが分かった。
同課は当時「市民への譲渡会を実施する予定だったが、コロナ禍の影響で見送っていた」と説明していた。一部は学校などの公共施設に引き取ってもらう措置を取ったが、状況に大きな変化がないまま3カ月以上が経過。小康状態だった市の新型コロナも感染拡大に転じ始めており、譲渡会の更なる遅れが懸念される。同課によると、7月下旬に1階から6階までの備品類を地下の駐車場に移動させる予定という。
同庁舎の21年度維持管理費は1668万円に上る。売却を含めた検討委員会を昨年開いたが結論が出ず、利活用計画はいまだ示されていない。