にぎわい再生に追い風 中心市街地活性化計画 内閣総理大臣が認定 官民連携まちづくりが本格化
宮古島市(座喜味一幸市長)が策定した宮古島市中心市街地活性化基本計画が26日、内閣総理大臣認定を受けた。同計画2023年度に市と中心市街地活性化協議会(根路銘康文会長)が連携して策定作業を進め、今年1月に内閣総理大臣宛に計画認定申請を行なっていた。同認定により今後進められる中心市街地活性化に向けたハードおよびソフト事業に対して、全省庁のまちづくり関連支援策を優先的に受けられる環境が整った。
中心市街地は商業店舗や住居、公共施設等が集積した「地域の顔」として機能してきた。だが近年は大規模集客施設の郊外立地や少子高齢化の影響による空洞化が進み、市街地のにぎわい衰退が全国的に課題となった。一方、生活空間が郊外の広範囲に拡散することで発生する上下水道や道路整備などの公共施設整備や管理費の増加が行政予算を圧迫してきた。
国は都市機能が集約され、公共インフラが整う拠点地域の再生事業を後押しすることで公共投資の効率化を目指し、民間活力の導入を基盤に据えて行政が策定した市街地再整備計画を内閣府認定することで全省庁連携の包括的・継続的な支援制度を構築した。
宮古島市では増加する観光需要に応える受入体制の構築に加えて、住居の供給不足や交通網整備が社会課題化し、経済活性と暮らしの向上が同時に求められている。中心市街地の再整備は地域課題解決の足掛かりとなり、国の目指す都市集約化にも適うとして、沖縄市に続いて県下2例目の認定となった。
認定を受けた市中心市街地活性化基本計画には「高揚感と活気のあるまち─“ひと+まち+みなと”賑わい繋ぐまちづくり」を目指して▽満足度の高い交流機会の提供▽心地よく楽しめる商業空間の形成▽利便性の高い居住空間の整備を約87㌶の計画区域で実施する―と記されている。
計画区域は西里大通り、下里通り、市場通り。マクラム通りを骨格とする中心地に加えて、再整備用脳の高いイーザト地区や北小付近、みなとまち再生プロジェクト計画と重なる港湾区域周辺も含まれており、両計画の連携による賑わい再生が期待される。
計画の内閣認定期間は5年間が基本となるが、整備実績や計画拡充に応じて期間延長が可能で、先例では4期20年間の支援継続実績もある。まずは29年度までの1期目に計画されている根間公園整備や港湾緑地の交流拠点施設整備事業を円滑に進めるため、住民や事業者への計画周知と協力体制の構築が急がれる。
まちづくりは長期的な事業連鎖が必須となることから、市と計画拡充や事業実施を連携する活性化協議会では、計画の内閣認定が実現したことを受け、官民連携に加えて世代間連携の実現に向けて、次世代の事業主体を担う中高生を核とした企画づくりを実施する展開方針を示した。