議員辞職勧告を審査 市議会定例会 粟国氏の暴挙は裏切り 19対2の賛成多数で決議
市議会3月定例会最終日となる27日、山下誠氏を代表とする7市議から「粟国恒広君に対する議員辞職勧告決議案」が提出された。同案は粟国氏が長期間にわたり平良松原の農地違反転用を主導して行ってきたことについて「市議会議員としての倫理観が欠如している」として提出。本会議では山下氏が議案提案理由を述べた後に、粟国氏へ弁明の機会を与えた上で議員辞職勧告に対する採決を行い、19対2の賛成多数で同決議は可決された。
市議会本会議に粟国恒広議員に対する議員辞職勧告決議案が提出された。提出者議員の山下誠氏が示した決議提案理由の趣旨は「粟国氏は自らの違法行為に対する反省の姿勢を示すことなく、あろうことか農地違反転用の責任を県や市、農業委に転嫁する主張を公然と繰り返してきた。同氏による市議会議員としての倫理観を欠いた一連の言動によって、市議会に対する市民の信頼失落を招いたことは断じて許されない。同士の暴挙は法を順守する市民への裏切り行為に等しい」というもので、「宮古島市議会は粟国氏の政治的・道義的責任を明らかにするために議員辞職を勧告する」と締めくくり、議会による辞職勧告承認を求めた。
粟国氏から「市議会での弁明の機会を求める」意思が伝えられ、全議員の承諾が得られたことで議場での弁明が行なわれた。同氏は農地違法転用に至った経緯と現状を話した上で、「現在は司法の場での調停を申請している段階である」と議員らに説明を行い、再度議場を退出した。
議場では同決議案に対する討論が行われ、我如古三雄議員が「司法調停中の事件であることから、現時点での議員辞職勧告には反対である」と示し、池城健議員が「市議でありながら行政勧告を無視し続けてきた姿勢は辞職勧告に値する」と決議への賛成意見を述べた。
粟国氏への議員辞職勧告決議案に対する採決では21人中19人の議員が辞職勧告議決に賛成した。同決議は議会の意思を示すもので拘束力を持たないことから、粟国氏の進退は本人の判断に委ねられる。