来間小中校舎無償譲渡は否決 文教社会委 〝譲渡を急ぐ理由がない〟
市議会文教社会委員会(池城健委員長)は13日、同委員会室で委員会2日目を開催し4特別会計の新年度予算案のほか条例案6件、議決案2件、請願1件、陳情1件の全14議案の審査と委員会表決を行った。5日の本会議で質問が集中し注目されていた旧来間小中学校校舎の民間事業者へ無償譲渡する提案に対する委員会表決は賛成少数で否決となり、同施設譲渡の行方は一般質問後に行われる27日の本会議採決に委ねられた。
旧来間小中学校校舎の無償譲渡について文教社委員から「市所有の普通財産運用の通例では公募が条件となる」として今回の事業者選定の経緯を問われた市教育委員会は「来間自治会から強い推薦があったことを受けて現在の事業者との協議に入った」と説明し、「同自治会との協働による事業展開を見込んでいる」とした。
文教社委員の「自治会と事業者間で協働事業を担保できる協定等の締結はあるか」との問いに市教委は「現時点で協定書等はないが、譲渡が議会承認された後に、自治会と事業者と教育委員会の協議において確認していく」とした。
本会議質疑で「事業提案が補助金に依存している」と指摘された事業計画について「同事業者は自治会との協議を重ねながら計画更新を行っており、12日に示された最新の計画では、補助金活用がなくても事業実施が可能だとしている」と解説したが、文教社委員から同資料の提出を求められると「まだ自治会の合意が得られていないので資料開示はできない」と回答した。
文教社委員からは「市教委は協働事業や地域合意を強く主張するが、その根拠となる資料が乏しい中で、私有財産を商用事業へ無償譲渡するという大きな決断には踏み出せない」と慎重意見が相次ぎ、同議案は賛成少数で否決された。
1万5829人の市民が加入する国民健康保険事業費72億6592万円余の特別会計、6500人以上の医療保険加入者を支える後期高齢者医療特会のほか、介護保険特会、公共下水道事業会計の新年度予算が委員会を通過した。
請願では犬猫殺処分ゼロに向けた取り組みの現状報告を受け、「離島にも沖縄本島同様の保護体制整備を県に求める」との請願趣旨を全会一致で原案を了とした。