合同訓練で救難技術向上 事故想定し救助、搬送 海上保安部、琉球水難救済会
宮古島海上保安部(福本拓也部長)と琉球水難救済会との救難合同訓練が27日、上野宮国のホテルブリーズベイマリーナビーチ及び前面海域で行われた。本格的なレジャーシーズンを前にした訓練で、両機関の参加者がシュノーケル中の事故を想定し、水上バイクによる救助訓練や搬送訓練などに臨んだ。水上バイクの救助訓練では、救助方法の説明を受けたあと2人1組で「安全、確実、迅速」に救助する訓練に取り組んだ。昨年の同保安部管内のマリンレジャー事故に遭ったのは21人、うちシュノーケルは8人で2人が亡くなっている。
この訓練は本格的なレジャーシーズンを前に、シュノーケル中の事故を想定した救助訓練を官民連携で実施することで救難技術の向上、迅速な海難救助活動につながることから連携強化を図ることが目的。救済会からはブリーズベイマリーナ救難所、宮古島東急ホテル&リゾーツ救難所、宮古島救難所(宮古島漁業協同組合)が参加した。
福本部長は、あいさつで「本格的なレジャーシーズンを目前に控え、海難事故の備えが重要である。宮古島は全域で気軽にマリンレジャーが楽しめるが、強い潮流や天候の変化などで事故に遭うケースも後を絶たない。このような中、水上バイクを活用し、昨年多発したシュノーケルの事故を想定した迅速な救助の訓練を行う。官民一体となった訓練が海難救助の強化、充実に結びつくことを期待したい」と激励した。
水上バイクの救助訓練では、沖縄ライフセーリング協会代表理事の音野太志さんが「効率的でスピードが速く、状況を選ばない。その分安全、確実、迅速はしっかり守ってほしい。全部必要だが、安全と確実は最初でできるが、迅速は頭で考えても反復しないと身につかない」と話した。
このあと参加者は、2人1組でシュノーケル中に溺れたと想定した救助訓練を行った。意識がある人を救助する時は「しっかり大きなジェスチャーで大丈夫、助けに来たなどなんでもいいので声をかけてほしい」と呼びかけた。
砂浜の搬送訓練は、海上保安部の職員(巡視船「はりみず」潜水士)らが要救助者を搬送する方法を説明。事故の現場に多くの人が居ればいいが、いない時に一人、二人で簡単に運べる「吊り上げ搬送」などを説明した。そのあと実際に2人で抱えるなどの訓練を行った。