「豊かさを実感できる社会へ」 玉城知事が所信表明
【那覇支局】玉城デニー知事は14日に開会した県議会(赤嶺昇議長)2月定例会で、2024年度の県政運営について所信表明を行った。玉城知事は「本県の自立的発展と県民一人ひとりが豊かさを実感できる社会の実現に向けて、全身全霊で取り組んでいく」と述べ、「県経済と県民生活の再生」「子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実」「辺野古新基地建設反対・米軍基地問題」の3つを特に重点的に取り組む考えを示した。
玉城知事は離島振興について「離島振興なくして沖縄の振興なしという考えの下、引き続き県政の最重要課題と位置づけ、交通・生活コストの負担軽減、防災体制の強化、医療提供体制の充実・確保などの定住条件の整備のほか、移住の促進、関係人口の創出などに取り組む」と述べ、「下地島空港などの離島空港を活用した航空・宇宙関連産業の展開を推進する」と強調。離島の資源と魅力を生かした特産品の振興を図るために「離島フェア」などの開催を進め、離島特産品の販路拡大やプロモーション支援に取り組む考えも示した。
宮古、下地島両空港と平良港も候補になっている政府がインフラを整備する特定利用空港・港湾(特定重要拠点)制度については「整備に係る予算計上方法や整備後の運用などについて県民に強い不安の声があることから、政府に対し、しっかりとした説明を求めていく」と述べた。
玉城知事は自衛隊の配備について「在沖米軍基地の整理縮小と合わせて検討することなどを政府に求めたところであり、引き続き、軍転協などと連携しながら、適切に対応していく」と強調。「これまでの県知事選挙や県民投票で県民が一貫して示してきた辺野古新基地建設反対の思いを実現するため、ブレることなく県民の先頭に立っていく」と決意を示した。
県経済の再生については、「国の総合経済対策と歩調を合わせ、県経済の回復と活性化に向けて、人手不足や物価高への対策などに機動的に取り組む」とした。
子どもの支援については「子どもの貧困対策を県政の最重要課題に位置付け、子育てや貧困を地域や社会全体の問題として捉え、子どもにつながり、支援につながる仕組みを構築するとともに個々の子どもが抱える状況に対応した総合的な施策を展開する」とした。