8千万円の和解可決 新製糖工場整備遅延損害請求訴訟

 【多良間】多良間村議会(福嶺常夫議長)の臨時会が15日、村議場で開かれ、新製糖工場整備を巡り、建築工期の遅延で損害を受けたなどとして、機械設置工事を請け負った月島機械(東京都)が追加費用1億62万円及び遅延損害金の支払いを求めた訴訟の和解案を伊良皆光夫村長が提案し、採決の結果、可否同数で議長が可決した。今回の提案は10月31日付で那覇地裁が、村に追加費用8000万円の支払い義務があると和解を勧告したことを踏まえたもの。今後は会社側が和解に応じるかどうかが焦点となる。
 村は同社と2015年9月に機械設備などの設置工事契約を締結し、16年12月~17年2月の設置を予定していたが、その前に別会社が実施した基礎工事が遅れた影響で、結果的に18年6月まで完了がずれ込んだ。両者は18年3月に追加費用1億円の支払い、超過分は工事完了後に協議の上で追加費用を確定することを合意。同年10月に同社が那覇簡易裁判所に民事調停を申し立て、村が追加費用1億4500万円を支払うことで調停が成立したが、村議会がこれを否決したため失効した。
 同社は基礎工事の遅れで重機リース代金や人件費など約2億円の追加費用があったとして、村に支払いを求め、20年3月に那覇地裁に提訴した。その後、村側が20年5月に1億円を支払ったことを受け、会社側が村に残りの1億円余の支払いを求めている。
 那覇地裁の和解案は、村が会社側に請負契約に基づく追加費用8000万円の支払い義務を認めるよう勧告するもの。村は議会議決を踏まえ、会社側と和解に向けて今後、話し合いを進めることになる。
 臨時会では伊良皆村長が9624万円を追加する2022年度一般会計補正予算、たらぴん公園整備工事請負契約、消防車1台を購入する財産取得の3議案、佐久本洋平氏(42)を教育委員に任命する同意案を提出し、いずれも全会一致で可決された。補正予算のうち歳出は、非課税世帯に対する5万円の給付金で241世帯分の1205万円、価格高騰支援金1315万円、訴訟の和解に伴う追加費用8000万円などを計上した。

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